Web 2.0がクチコミを連れてきた!
欧米の成功事例に学ぶクチコミの基本パターン3

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[特集]Web 2.0がクチコミを連れてきた!

欧米の成功事例に学ぶクチコミの基本パターン3

業界団体の設立と成功事例の分析で進む
ネットクチコミ市場の拡大と手法の確立

田中 双葉

ここ数年、クチコミに関して企業からの問い合わせが増えている。この関心の高まりは日本に限ったことではなく、欧米なども含めてネットが普及した成熟市場では共通の動向だ。ここでは、クチコミマーケティングの現状と代表的な事例をさまざまな視点で整理してみたい。

市場と生活者の変化で強い注目を集める
クチコミマーケティング

「クチコミ」という大昔からある手法が再び注目されている理由は、大きく3つ挙げられる。1つ目は、商品を作り、それを企業が生活者に伝えればモノ売れるという時代ではなくなっていること。モノが充分すぎるほどあふれている今日は、これまでのような一方的な商品訴求メッセージよりも、友人や第三者から聞く推奨や共感などのクチコミのパワーが、ブランドや商品の選択に大きな影響を及ぼすようになってきている。ただし、ここでいう推奨や共感とは、必ずしも商品そのものを指すとは限らない。「A社がやっているウェブサイトはおもしろい」「B社のキャンペーンに応募するとこんなことがあるらしい」など、商品そのものではなくても、企業や商品に関連する情報を勧める場合ももちろんある。一般的に考えれば、よほど画期的な商品である場合を除けば、モノそのものを話題にするよりは、むしろ後者のほうが多いかもしれない。これについては後で詳しく触れるが、クチコミは必ずしも商品そのものの評判とは限らず、より広義な商品/ブランド関連の話題を指すということに留意したい。

2つ目は、インターネットや携帯電話などの普及によるメディアとしてのクチコミへの関心だ。ネット以前の時代には、局地的に口頭で言い伝えられる限定的なものであった。そのため、効果予測や実態把握のしにくさ、規模的広がりの限界などから、企業のクチコミ活用は極めて限定的なものであった。エリアを限定したサンプリングやお試しイベントなどのプロモーション施策で体験者が人に伝えてくれることを期待したり、新商品発売イベントなどのPR施策による瞬間的な話題作りをするなど、戦略的にブランドコミュニケーションに組み込むというよりは、売りに直結させるための限定的な戦術的活用にとどまっていた。

しかし、インターネットや携帯電話の普及により、個々人の情報受発信が容易になったため、メディアとしてのクチコミのパワーが増大し、マーケティングのツールとして有効活用できるようになってきた。特にブログや(そのビデオ版ともいえる)Vlog、SNSなどのCGM(生活者が創り出すメディア)の急速な発達により、簡便性に加えて表現力や波及力(ネットワークパワー)が飛躍的に向上した結果、人気ブログなどは企業の公式サイトよりも検索結果が上位に表示されるといったケースも少なくない。このような環境を活かしたサービスも日々拡充してきている。アマゾンやアットコスメ、価格.comに代表されるような、特定商品カテゴリのクチコミを共有する掲示板サイトの利用はごく普通のことになりつつある。また、一般生活者が作成した動画や写真などのコンテンツ(CGC)を簡単に誰でも視聴や利用ができるYouTubeやFlickrなどのサービスも若者を中心に高い支持を得ており、それらの人気コンテンツはメディアとして充分なパワーを持ちつつある。

3つ目は、生活者の意識変化に対応する、効果的なコミュニケーション手法への世界的な模索だ。一般生活者が「自分に必要な情報や気に入ったものを取捨選択して発信する」という情報行動に慣れるに従って、一方的に与えられる情報やメッセージへの関心が低下するという問題が出てきた。マス広告効果の低下やHDDレコーダーなどによるCMスキップへの懸念などが一部で言われているのも、このような生活者の情報行動の変化と密接な関係がある。より効果的な広告コミュニケーションのあり方に対し、さまざまな新しいチャレンジがなされている。

図1 WOMMA(クチコミマーケティング協会)には、クチコミマーケティングを手がける大小さまざまなエージェンシーを中心に300社近くの企業が加盟している(2006年8月現在)。
http://www.womma.org/

以上のような背景の中、クチコミのパワーを企業のマーケティングに活用しようという動きが活発化してきている。米国では2004年よりクチコミマーケティング協会(Word Of Mouth Marketing Association:WOMMA)が新たに設置された(図1)。ブランド(企業)やメガエージェンシーなどもメンバーとして徐々に加入しつつあり、(1)「啓蒙とナレッジの共有」、(2)「効果測定指標の設定」、(3)「倫理基準の設定」の3つを柱に活発な活動を行っている。

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