成功と失敗を分けるSEMの見極め力
第1回 SEOは自分でやる?それとも業者に頼むべき?

SEMの見極め力タイトル

成功と失敗を分けるSEMの見極め力

第1回 SEOは自分でやる? 業者に頼む?

小林 範子(株式会社セプテーニ)

多くの企業が取り組み出したSEM(検索エンジンマーケティング)は、発展途上の分野でもあるため、確固としたセオリーが存在しない。SEMを行う上で担当者が直面するさまざまな判断・選択について、その見極めのポイントを専門家がアドバイスしていく。

検索連動型広告の競争激化で再び注目を集めているSEO

このところ、検索連動型広告の運用に行き詰まったウェブ担当者から、SEOの相談をいただく機会が増えている。なぜだろうか?

マーケティング効果がすべて数字として評価できてしまうウェブマーケティングにおいては、何よりもROI(費用対効果)が重要視される。そして、費用対効果の高い広告として注目されているのが、オーバーチュアやグーグルアドワーズ広告を代表とする検索連動型広告であるが、オークション方式の仕組みを持つため、利用企業の増加にともない入札価格は高騰し、各社の予算は上昇し続ける一方である。その結果、中小企業の限られた予算では太刀打ちできないところまで来てしまっているという状況なのである。

そこで、SEOによる顧客の獲得というのが、ここに来て再び注目を集めている。うまくやれば、費用対効果は検索連動型広告の比ではないほど高くなる。しかし、SEOは専門知識を要するため、費用0円というわけにもいかない。専門業者に依頼する場合は当然外注費がかかるし、自力でがんばるという場合でも、業務にかかる人件費は考慮する必要がある。

そこで、SEOを自分でやるべきか、それとも業者に頼むべきか。これこそ「費用対効果」の側面から判断したいポイントである。

ちなみに、SEOの基本的な知識は、SEO関連の本を2、3冊読み込めばだいたい習得できる。もしあなたがSEOを任された担当者なら、いずれにしてもこれは最低限の必須業務としておきたい。

内部要因と外部要因から見たSEO対策の切り分け

SEOにおける対策のポイントは次の2つだ。

  • 自分のサイトを、上位表示させたいキーワードに合わせて最適化する「内部要因」の対策。
  • 自分のサイトにリンクを貼ってくれる外部のサイトを探す「外部要因」の対策。

この両方をどれだけのレベルで実施しているかが、検索結果における上位表示の鍵となる。

さて、「内部要因」の対策は自分のサイトを編集する作業であるから、やろうと思えば「自分で」できる。解説書などに書かれている内容に従ってサイトのHTMLを編集していけば、一定レベルのSEOが可能だ。一方、「外部要因」の対策は、「自分で」どうにかできることは少ない。リンクを貼ってもらうサイトは、質が高くなければ効果がないため、質の高いウェブサイトを多数保有している業者に委託するのが一番効率的である。

内部対策は自力でコツコツと進めながら、即効性が高く自力での対策が難しい外部対策については専門業者に委託するという選択がもっとも賢いと言えるだろう(図1)。

図1 内部要因と外部要因それぞれの対策
図1 内部要因と外部要因それぞれの対策。

さらに言うと、検索エンジンが内部要因を評価する際には、「情報量の豊富さ(端的に言うとページ数が多いほうがよい)」も加味している。「情報量の多いサイトは役に立つはずだ」というもっともな理屈であるが、こればかりは小手先のテクニックではどうにもならない。地道にコンテンツを増やして役立つサイトに育てていく必要があるのだが、これは自社の商品を一番よく知っている社員が自分でやるべきことだろう。

キーワードの競争度合いから見たSEOの切り分け

もう1つ、別の視点で考えてみる。検索エンジンがサイトを評価する採点基準を仮に、内部要因を50点、外部要因を50点の配分としてみる(実際はこんなに単純な話ではないが)。SEO競争の激しくないスモールワード(検索数の多くないキーワード)の場合は、内部対策を実施するだけでかなりの効果を発揮するケースも多い。つまり自分のサイトが50点でも、他のサイトがそれ以下であれば、相対的に評価は高まり、上位に表示される。しかし、競争の激しいビッグワード(検索数の多いキーワード)は、他社も必死で、内部/外部ともにレベルの高い対策を行っている(表1)。この場合、いかに完璧な内部対策を行っても50点ではかなわない。自力で試行錯誤を重ねて内部対策に膨大な労力と時間をかけても、結局上位表示できなければ費用対効果は最悪である。

表1 ビッグワードとスモールワードの比較。
検索回数SEOの難易度ターゲットの絞り込みキーワードの例
ビッグワード[多い]
広い意味に有効なため多くのユーザーが検索する。上位に表示できればアクセスアップは必至。
[高い]
各社が予算を投資して高度なSEO対策を行っており、上位表示は難しい。
[低い]
広い意味に有効なため、ターゲット外のユーザーである可能性が高い。
「酒」
「花」
「パソコン」
スモールワード[少ない]
具体的、限定的なため、検索するユーザーの数は絞られる。
[低い]
競合各社がまだSEOに手を出していないワードも多く、基本的な内部対策だけで上位表示をねらえる場合もある。
[高い]
具体的、限定的なため、よりターゲットに合ったユーザーに絞られる。
「酒 ディスカウント」
「花 宅配」
「激安 パソコン」

このような状況を考慮していくと、ビッグワード対策は専門業者に委託し、スモールワード対策は自力で行う、という判断基準も考慮しておきたい点である。

担当者の能力と人件費を考慮して外部に委託するかの判断を

最後に、内部対策を自力で行うか業者に委託するかは、担当者のキャパシティと給与を加味して、費用対効果を検討すればよい。ある程度の方向性を見出すところまでのコンサルティングを委託して、あとは自力で継続するというのも1つの案であろう。

ところで、SEOを実施するにあたり、まずしなければいけないのが対策するキーワードの選定だが、これは非常に重要である。当然、検索数の多いビッグワードは、上位表示されれば相当なアクセスアップが見込めるが、大手各社が競ってSEO対策を行っているため難易度は高い。対策にかかるコストと時間が膨らんでしまう。一方、ミドル/スモールワードは、上位表示によるインパクトは下がるものの、競争が少ない分上位に表示させやすい。またスモールワードの場合、サービスとのマッチ度が高ければ、成果率はビッグワードよりも高くなるケースもあるので、掘り出し物のキーワードを見つけることができれば思いがけない費用対効果を発揮する。オーバーチュアのキーワードアドバイスツールを使えば、各ワードの月間検索数が調べられるので、ぜひ活用してみてほしい。

見極めのポイント
  1. 内部対策は、基本的なHTMLの知識とやる気と時間があれば自力で。
  2. ただし人件費を考慮した上で専門業者に委託するという選択もあり。
  3. 競争の激しいビッグワードは、専門業者へ委託して抜けのない対策を。

※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウ vol.1』掲載の記事です。


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