ブラックハットSEO大全

隠しリンクとは? - ブラックハットSEO大全#06

検索エンジンからのページの評価を上げるためにユーザーに見えないようにリンクを設置するこの手法、かなり悪質だ
株式会社イトクロ+Web担編集部 2010/11/1 8:00 |

ブラックハットSEO(悪質なSEO)を知り、避けるためのこのコーナー。記事を読んで理解した内容は、SEO会社への発注時に具体的に聞いたり、自社サイトの対策状況をチェックしたりといった使い方をしてほしい。

ブラックハットSEO大全

「隠しリンク」とは

Webページ内に、普通にブラウザで見ているユーザーには見えないが、検索エンジンのクローラーにはわかる形でリンクを埋め込むこと。

どんな手法か詳しく解説

対象リンクを検索エンジンのクローラーには認識させるようにしつつ、ユーザーがブラウザを使って見た場合には表示されないようにする手法として、大きく次の3種類のものが使われています。

  1. 隠しテキストの回で説明した「文字色と背景色が同じ」「極端に小さな文字サイズ」などの手法で見えない状態のテキストをアンカーに設定しているリンク
  2. 1ピクセル×1ピクセルの画像や、透明の画像にリンクを設定して、alt属性でキーワードを指定しているリンク
  3. ピリオドやハイフンのように非常に小さい文字や、空白などのユーザーの目から見えない文字に対してアンカーテキストを設定しているリンク

また、イメージマップというHTMLの手法を使い、非常に小さな領域に対してリンクを設定している場合も隠しリンクだとみなされる可能性があります。ただし、イメージマップを使ってリンクすること自体は本来のHTMLの手法ですので、ただちに隠しリンクだとみなされるわけではありません。ユーザーが認識できない状態でリンクを設置するのが問題なのです。

ブラックSEO会社はなぜこの手法を使うのか

ブラックSEO会社が隠しリンクを使うのは、普通のユーザーに対しては不自然にならない形でのリンクや、特定のキーワードをアンカーテキストにしたリンクなどの数を増やするためです。

また、サイト内リンクでも、リンク先ページがアンカーテキストで指定したキーワードに関するページであるとの評価を検索エンジンに伝えられるため、特定のアンカーテキストでのリンクをユーザーに対して不自然にならないように設置するために隠しリンクが使われる場合があります。

なぜこの手法が問題なのか

検索エンジンは、偽装目的の隠しリンクをガイドラインで禁止しています。

  • 隠しテキストと隠しリンク(Googleウェブマスターセントラル)

    コンテンツに隠しテキストや隠しリンクが含まれていると、ユーザーに対するものと異なる情報が検索エンジンに提示されるため、信頼できないサイトと見なされる可能性があります。
    ……(中略)……
    隠しリンクとは Googlebot でクロールされることを意図し、ユーザーには読み取れない次のようなリンクです。

    • リンクが隠しテキストで構成されている (テキストの色と背景色が同じであるなど)
    • CSS を使用して、高さが 1 ピクセル程度の非常に小さいハイパーリンクが作成されている
    • リンクが小さな文字 (段落中のハイフンなど) に組み込まれている
  • 検索エンジンスパムとは?(Yahoo!検索インフォセンター)

    以下は、検索エンジンスパムの例です。
    ……(中略)……
    検索する利用者に見えないテキストを使っているウェブページ

原則として、検索エンジンは順位を操作するために行う「検索エンジンがなければ行わない手法」に対してペナルティを与えます。そのため、ブラウザを使って見ているユーザーには意味がない隠しリンクの手法はNGとされるのです。

また、検索エンジンはページを評価するための要素としてリンクを重要視していますので、検索エンジンを欺く目的で設置されたリンクはNGとなるのです。

NG度+行った場合のリスク

NG度の表記について
1無意味な対策です
2サイトの評価が下がる場合があります
3サイトの順位が下がる場合があります
4サイトの順位が大きく下がる場合があります
5サイトが検索結果から削除される場合があります

NG度:5
※サイトが検索結果から削除される場合があります

サイトが偽装目的で隠しリンクを使っていると判断されると、検索エンジンからの評価が著しく下がってしまい、下層の1ページで行っていたとしても、トップページを含めたサイト全体が検索結果から削除されてしまう場合があります。

どうすれば見つけられるのか

自分のサイトが隠しリンクを行っていないかを調べるには、ブラウザでHTMLソースを表示し、「<a」で始まるリンクタグがある部分を1つずつチェックしていきます。

ページのHTMLソースを表示するには、IEでは[表示]>[ソース]メニューを、Firefoxでは[表示]>[ページのソース]メニューを、Chromeでは[ページメニュー]>[開発/管理]>[ソースを表示]メニューを使います。また、FirefoxとChromeではショートカットキーの[Ctrl]+[U]キー(Windows)を使用することもできます。

また、ページ内のリンクを枠線で囲んで表示するブックマークレットを利用して確認することもできます。

ページ内のリンクを枠線で囲む ←このリンクをブックマークに登録

上記のリンクをブックマークに登録して、対象ページでそのブックマークをクリックすると、どこにリンクがあるのかがわかります(ブックマークレットを実行すると枠線の影響でレイアウトが崩れる場合がありますが、ブラウザでページを再読み込みすると元に戻ります)。ただし、この方法ではイメージマップのリンクは枠で囲んで表示されませんので、イメージマップを利用している場合は個別に確認する必要があります。

もしやってしまっていたら

もし隠しリンクを行ってしまっていた場合は、ただちに該当部分を削除しましょう。

また、すでにサイトが検索エンジンから削除されてしまっている場合は、該当している部分を削除したうえで、グーグルではウェブマスターツールに登録し、サイトの再審査依頼をしましょう。

ヤフーではインデックスの更新などのタイミングで順位が戻るのを待つ必要があります。

まずは、自分で管理しているサイトのソースを確認し、不自然なリンクが存在しないかチェックすることから始めてみてください。

用語集
CSS / Googlebot / HTML / SEO / アンカーテキスト / インデックス / クローラー / クロール / リンク / 検索エンジン
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