【最新SEM情報】ヤフーのキーワード広告が来年ガラッと変わる! どう変わる?

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Search Engine Strategies 2006 in San Jose レポート
徐々に明らかになってきた
オーバーチュアの新しい広告掲載プラットフォーム

TEXT:泉浩人(ルグラン)

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SES 2日目のランチタイムに“Yahoo’s New Ad Platform”というテーマで発表が行われた。業界関係者はもとよりオーバーチュアのスタッフも日本から参加していた。

2006年4月にForbes.comでリークされて以来、「パナマ」というコードネームと共に広く知られることとなったオーバーチュアによる新しい広告掲載プラットフォームの開発プロジェクトだが、去る8月にカリフォルニア州サンノゼで開かれたサーチエンジンストラテジー(SES)カンファレンスで、その概要が発表された。

日本への導入は2007年の第2四半期以降になると予想されるが、オーバーチュアを利用している広告主にとっては、広告管理の方法や入札戦略がどう変わるのか大いに気になるところであろう。以下、カンファレンスでの発表内容を中心に、筆者が現段階で入手している最新の情報をまとめてみた。


新プラットフォーム導入に伴う変更点

オーバーチュアの親会社である米国ヤフーサーチマーケティング(YSM)部門のの面々。検索部門担当副社長Tim Cadogan氏が導入スケジュールを説明。続いて、広告プロダクトマーケティング担当シニアディレクターのJohn Kim氏が新プラットフォームの詳細についてプレゼンを行った。

オーバーチュアの新しいプラットフォームでは、大きく分けて(1)広告掲載順位の決定方式と(2)広告管理システムの2つについて大幅な変更が予定されている。

7月に行われた米国ヤフーの第2四半期の決算発表で新プラットフォームの導入遅延が発表されたことをきっかけに、同社の株価が20%を超える大幅な下落を記録したことは記憶に新しいが、Cadogan氏によると、最新のスケジュールでは、まずは米国市場において2006年の第4四半期中に新たな広告管理システムの導入を行い、その後、2007年第1四半期に広告掲載順位の決定方式を変更する予定とのこと(その後、10月下旬に行われた米国ヤフーの第3四半期決算発表の席上で、米国の一部広告主を対象に新しい管理システムへの移行が開始されたと発表した)。

なお、米国に続き、海外市場では日本に最も早く新プラットフォームが導入される予定と言われているが、日本の検索市場の大きさを考えればこれも当然の判断といえよう。

(1)広告掲載順位の決定方式

ご存知の通り、オーバーチュアの場合、広告はキーワードに対するクリック単価の入札価格が高い順に掲載されるというオークション方式を取っているが、新しいプラットフォームでは、広告の「品質」とクリック単価の2つの要因に基づいて掲載順位が決定される。

広告の「品質」はクリック率を始めとする様々な要因に基づいて決定されるが、その詳細なロジックについては非公開とのこと。

ただし、Cadogan氏いわく「同程度のクリック単価であれば品質の高い広告が上位に表示される」システムになるということであり、おそらくはグーグルが提供するアドワーズ広告に類似した決定方式になるものと推察される。

なお、新しいプラットフォームでは、広告主が管理画面上でクリック単価を設定すると、予想掲載順位や予想クリック数のほか、当該キーワードに対して予想されるクリック総数に対する自社のシェアといったデータも提供されることから、掲載順位の決定方式が変わっても、広告主は、掲載結果に関する十分な情報を得た上で、クリック単価や価格や予算を決定することが可能であるとしている。また、新しい掲載順位決定方式に移行する際には、当該時点でオークション方式によって決定されている掲載順位が踏襲されるが、移行と同時に広告の「品質」評価のためのデータの蓄積が開始され、以後は順次新方式によって掲載順位が変更されていく。なお、最低入札価格については、当面、現行のまま存置される予定とのこと。

(2)広告管理システム

新しいプラットフォームが導入されると、広告管理画面の「見た目」だけでなく、広告管理の考え方自体も大きく変容する。

前述の通り、広告掲載順位の決定がオークション方式ではなくなることから、クリック単価に基づいて掲載順位の指定をすることを目的とした現行の管理画面の機能は無用となり、広告主は、それに替わる新たな「パラメータ」に基づいて広告を管理することが必要になるためである。

この新たな「パラメータ」とは、「CPA (Cost per Acquisition=顧客獲得コスト)」や「ROAS(Return on Ad Spend=広告支出に対するリターン)」といった広告効果を表す指標である。広告主は、キーワード毎に入札価格や掲載順位を指定するのではなく、オーバーチュアで行う広告キャンペーンについて、目標とする顧客獲得コストや、獲得した顧客から得られるリターンを入力すると、あとはオーバーチュアの広告管理システムが、出稿されている個々のリスティングについて、転換率(=コンバージョンレート)のヒストリカルなデータを参照し、あらかじめ設定された予算の範囲の中で、目標とする顧客獲得コストに近づくようクリック単価や掲載順位を自動的に調整するというものである。

(3)その他の主要な変更点

  1. タイトル&説明文
    従来オーバーチュアでは、一つのキーワードに対して一つのタイトル&説明文しか掲載することができなかったが、新しいプラットフォームでは、複数のタイトル&説明文を同時に掲載し、自動もしくは手動でより効果の高いものを取捨選択することが可能になる。また、指定したキーワードを自動的にタイトル&説明文に挿入する機能も加わる。

  2. 審査
    新しいプラットフォームでは、従来の「事前審査」のプロセスが大幅に見直され、殆どのリスティングは、すぐに掲載が開始される。これは、アドワーズ同様、オーバーチュアでも、クリック率の低いリスティングの掲載順位は自動的に下がるようになるため、検索キーワードとリスティングやサイトとの適合性について、これまでのような厳しい事前審査は不要となることによるものと考えられる。

  3. タイムゾーン
    オーバーチュアを利用する日本の広告主を悩ませてきたタイムゾーン問題(=オーバーチュアのシステムでは、米国太平洋標準時が適用されるため、オーバーチュアのレポートを読む際には、常に日本時間に「換算」する必要があった)は、新プラットフォームでついに解決されそうである。同時に、管理画面から日付を指定して広告の掲載をオン・オフする機能も追加されるが、時間帯指定の機能は当面用意されない模様。

  4. 「アシスト」機能
    従来のコンバージョンカウンターの機能を進化させたもので、クッキーを利用してコンバージョンに至る迄の「足跡」を辿ることで、例えばクリック単価の異なるリスティングを複数回クリックした後にコンバージョンに至った場合でも、獲得コストをより正確かつ公平に算出することが可能となる。

  5. 検索方式
    新しいプラットフォームでは、通常の検索連動型広告をオプトアウトして、コンテンツ連動型広告のみに出稿することも可能になる。但し、現在、日本のオーバーチュアには、ブログや個人サイトなどのコンテンツに対して動的に広告を連動・配信させるシステムが実装されておらず、現在米国ヤフーがベータ提供しているYahoo Publisher Network (YPN) の日本市場への早期投入が待たれるところである。

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