検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

クリック単価の損益分岐とコンバージョン率の関係

検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

Google「アドワーズ広告」オーバーチュア「スポンサードサーチ」
で利益を生み出すプロの秘策!

この記事は、第2章「費用対効果を最大化するキーワードの方程式」の記事です。

広告の目的をまとめて表すコンバージョン

コンバージョン

本来「conversion」は「転換」「変換」の意。

アフィリエイト

提携した企業の商品などをWebサイトやメルマガで告知し、そのリンクからユーザーを企業へ誘導して成約が発生した場合、報酬が支払われるシステム。「成果報酬型広告」とも呼ばれる。「affiliate」は「加入」「提携」の意。

検索連動型広告を出稿する以上、出した広告がきちんと成果に結びついたか、常に気を配る必要があります。ネット広告業界では、この成果や効果のことを「コンバージョン」と呼んでいます。

なぜ、わざわざ聞き慣れない横文字を使うのかというと、検索連動型広告を出す目的は、扱っている商品やサービスによって多岐にわたるからです。

例えば、パソコンショップならパソコンの「購入」、マンションのディベロッパーなら「資料請求」、転職サイトなら「会員登録」が、広告を出稿するひとつの目的となるでしょう。アフィリエイトサイトであれば、自サイト内のアフィリエイトリンクを「クリック」してもらうことが目的です。

このような目的をすべてまとめた言葉がコンバージョンです。自分が広告を出稿する目的に置き換えてください。

そのクリック単価は高い? 安い?

では、そのコンバージョンを得るためのクリック単価は、どれくらいなら高いのか、安いのか、について考えてみましょう。ここで問題にしたい「高い」「安い」は、キーワード全体の相場としてどうか、ということではありません。自分のサイトにとって高いか安いか、ということです。

例として、あなたがワインの通販を行っているオンラインショップの店主で、売値3,000円(粗利900円)のギフト用ワインの広告を出したいとします。出稿するキーワードは「ワイン」で、最上位表示が狙えるクリック単価である100円で入札しました。この場合のコンバージョンは、ギフト用ワインが「購入」されることです。

さて、この金額は果たして高いのでしょうか? それとも安いのでしょうか?

クリックがコンバージョンに結びつくとは限らない

単純に考えると、広告をクリックしてサイトに来た人が商品を購入してくれたら、100円の広告費で3,000円の売上が立ったことなります。広告費の占める割合は売上の約3%、粗利の約10%です。これなら「安い」範囲でしょう。

しかし、ここで注意しなくてはならないのは、広告をクリックしてサイトに来てくれた人の「すべて」が、商品を購入してくれるわけではないということです。

広告をクリックした人のうち、商品を購入してくれる人数はどれくらいか? 言い方を変えると、広告のクリック数のうち、コンバージョンがいくつ発生しているのか? それが分からなければ、100円というクリック単価が高いのか安いのかを判断することはできません。

コンバージョン率は損益分岐の判断に必須

コンバージョン率

「CVR(ConVersion Rateの略)」または「コンバージョンレート」とも呼ばれる。広告効果だけでなく、オンラインショップをはじめとしたWebサイトの有用性を計る上でも重要な指標。

広告のクリック数に対するコンバージョン数を表す数値は、「コンバージョン率」と呼ばれます。それを求めるには、次の計算式を用います。

コンバージョン率を求める式
図2-7-1

先ほどの例で考えてみましょう。「ワイン」というキーワードで出した広告のクリック数が1,500回あったとして、そのうち実際に購入してくれた人が30人だった、すなわちコンバージョン数が30回だった場合、コンバージョン率は2%となります。

コンバージョン率の例
図2-7-2

コンバージョン率は1%程度しかない

クリック率と同じく、こちらも検索連動型広告を経験していない人にとっては分かりにくいかもしれないので、ひとつの目安を挙げましょう。筆者の経験上、コンバージョン率は平均しておよそ1%前後になることが多いです。

コンバージョン率の目安

およそ1%程度
(業種やサイトの出来不出来によって差がある)

では、コンバージョン率が1%だと仮定して例に戻ります。この1%を言い換えると、コンバージョンが1回、つまりワインが1つ購入されるためには、広告のクリックが100回必要になります。となると、3,000円の売上のために、クリック単価100円の100回分、すなわち10,000円の広告費がかかることになります。「損」が「益」を上回っていますから、もう高いとしか言いようがありません。

このように、キーワードのクリック単価が損益分岐の観点から「高い」か「安い」かは、コンバージョン率を考慮しなければ判断できません。

そして、コンバージョン率を上げることができれば、クリック数やクリック単価はそのままでも、広告効果は上がっていきます。コンバージョン率は高ければ高いほど良いのです。

検索連動型広告を成功に導くSEM戦略
  • 『検索連動型広告を成功に導くSEM戦略』
  • ISBN:978-4844325697
  • 1,680(税込)
  • 紺野俊介(著)
  • インプレスジャパン

この記事は、書籍『検索連動型広告を成功に導くSEM戦略』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。

検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

成長を続けるネット広告の中でも、もっとも注目なのが検索エンジンを使った「検索連動型広告」。その代表例であるGoogle「アドワーズ広告」、オーバーチュア「スポンサードサーチ」のキーワード選びやメンテナンスを通し、費用対効果を最大化していくSEMのセオリーとノウハウを、ネット専業代理店のSEMストラテジストが解き明かします。さらに、SEMのニュートレンドであるコンテンツ連動型広告、モバイルリスティング広告の新章を追加。検索エンジンを活用したプロモーションで成果を出したい人には必読の1冊。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

アクセシビリティ
広義には、障害者、高齢者を含むすべての人間が、同じレベルでサービスや機器、施設を ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]