今からでも遅くない! これから始めるケータイマーケティング入門

公式サイトと勝手サイトそれぞれのメリットとデメリットを理解しよう - 携帯マーケ入門#4

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[特集]今からでも遅くない! これから始めるケータイマーケティング入門

ケータイマーケティング入門

ケータイサイトに取り組む上で問題となる「公式サイト」にするべきか「勝手(一般)サイト」にするべきかという問題にも触れておこう。

先にも述べたが、ケータイサイトには公式サイトと勝手サイトがあり、それぞれにメリットとデメリットがある(表1)。ケータイサイトを公式サイトにするメリットは、何といってもキャリアの公式メニューからの集客が見込める点だ。また、携帯アプリを取り入れたり、キャリアによる課金回収代行を活用できたりするのも公式サイトにする魅力の1つだ。しかし、公式サイト化するには、キャリアの企画審査に通す必要があり、サイトの内容やケータイで獲得した会員の活用方法など制約も多い。

公式サイト勝手(一般)サイト
メリット
  • キャリアによる課金代行サービスを利用できるため小額決済が容易
  • キャリアメニューからの集客が見込める
  • 会員管理が容易
  • 公式検索エンジンに登録される
  • 公式ということでのユーザー側に安心感がある
  • 携帯のアプリを利用できる
  • キャリアの制約なしにサイトの設計ができる
  • 3キャリアで統一したサイトを作ることが容易
  • 獲得した会員を自由に活用(送客)できる
  • CGMコンテンツの展開が容易
  • 自由にリンクを設定することができる
  • 自由に広告を掲載できる
デメリット
  • キャリアによる企画審査が必要
  • 相互リンクや獲得した会員の活用に制限がある
  • 自由な広告掲載ができないため、広告ビジネスには制約がある
  • 公式検索エンジンに登録されない
  • 一般的に集客にはコストがかかる
表1 公式サイトと勝手サイトのメリット・デメリット

逆に、勝手サイトは公式サイトのようなメリットは享受できないものの、キャリアの制約を受けることなく、自由に運営することが可能だ。キャンペーンの一環としてケータイサイトを作る場合は勝手サイトが主流であるが、これは公式メニュー以外からの集客ルートが確立しており、サイト制作が手軽だからだ。

以上のような特徴から、課金ビジネスではなく、企業のマーケティングの一環としてケータイに取り組むのであれば、勝手サイトでよいのではないかと思われる読者も多いことであろう。

しかし、公式サイトは今、マーケティングの観点からも注目を浴び始めている。その理由は、フィルタリングサービスの取り組みと、ドコモの「企業・ブランド」カテゴリ新設である。2008年4月7日よりNTTドコモが公式のiMenuに新設した「企業・ブランド」カテゴリは、「食品/飲料」や「家電/PC」「自動車/バイク」といった16の小カテゴリに分類され、アサヒビールや伊藤ハム、NEC、トヨタ自動車など50サイトが登録(2008年5月1日現在)されており、今後も増える公算だ。

サイトの内容は、製品やサービスの紹介や企業情報に加え、キャンペーンや、CM動画の閲覧、会員の募集などさまざま。ドコモのメニューからの集客に加え、公式検索の上位表示も期待できる。また、キャリア各社はここ最近、未成年を対象にフィルタリングサービス(有害サイトへのアクセス制限サービス)への取り組みを強化している。ターゲットの年齢層によっては、公式サイトへの登録を今まで以上に考慮する必要がありそうだ。

すでにケータイは、本来の特徴である双方向性や手軽さに加えて、表現力をも獲得し、企業のブランド戦略にさえ活用されて始めている。さらに、FeliCaによるリアルとの連携や、GPSを活用した位置情報連動コンテンツの提供など、ケータイ独自の機能をマーケティングに活用しようという試みが多くの企業で実行されている。PCのウェブとは一味違う価値あるケータイマーケティングを実践してみてはいかがだろうか。

用語集
CGM / キャリア / キャンペーン / ケータイ / ケータイサイト / モバイルマーケティング / リンク / 公式サイト / 勝手サイト / 検索エンジン
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