Web担当者必見! リサーチ データ&市場調査レポート

商品購入金額が高いのはモバイル利用者/オンラインショッピングに関する調査

Webマーケティングガイドでは、インターネット調査会社の株式会社ボーダーズと共同調査のもと、オンラインショッピングに関する調査を行った。

その結果、オンラインショッピングで商品に興味を持つきっかけと購入場所は共にネットが主流であり、1回あたりの購入金額で見ると、モバイルのほうが商品購入金額が高いことがわかった。さらに男女別での利用状況を見てみると、商品購入の決め手が、女性はイメージ重視、男性は機能/性能等のスペック重視であることがわかった。

調査概要に関しては、記事の末尾に掲載している。

オンラインショッピングの全般的な利用状況

まず、Q1からQ10では、利用頻度や決済方法、購入の決め手などを調査した。

利用者は携帯よりもPCを利用

まずQ1で、現在どの位の頻度でPCやモバイルのオンラインショッピングを利用しているか尋ねたところ、PCによるオンラインショッピング利用率は95.0%、モバイルによるオンラインショッピング利用率は23.4%であった。

利用頻度について、PCで「月に1日程度」が23.2%と最も多く、次いで「月に2,3回程度」が20.0%と続く結果になった。

あなたは現在、どの位の頻度でPCやモバイルのオンラインショッピングを利用していますか?

PCでオンラインショッピングを月に1回以上利用するユーザーは63.2%いることが分かり、PCで買い物をすることが今や一般的になってきていることが伺える。

また、富士経済の「通販・e-コマース市場調査」によると、オンラインショッピングの市場は年々拡大する傾向にあり、今回の調査結果で「利用したことがない」と回答したユーザーがわずか5.0%となっていることも考慮すると、オンラインショッピングが人々の生活にかなり浸透していると言えるだろう。

一方モバイルについては、オンラインショッピングを利用したことがないユーザーが76.6%と高く、利用者はPCの場合とは異なり、限定されていると考えられる。

※今回の調査はPCのインターネットユーザーを対象にして実施した調査であるため、多少PCの数値が多くなると考えられる。

またPCと比較して、モバイル自体の利用アクティブ層が若年層に集中していることや商品数や商品力でPCに未だ及んでいないということが言えるかもしれない。

しかし『ケータイ白書2007』によると、近年モバイルコマース市場も急成長しており、利用頻度やユーザー層の拡大で前年(2005年)比157%となっている。今後、時間と場所を軸にした利用シーンづくりでニーズを高めることで、更なる成長が見込める市場であると考えられる。

商品に興味を持つきっかけは、インターネット(PC)、TVほぼ同率

Q2で商品購入行動の各ポイントで参考にするメディアについて尋ねたところ、「商品に興味を持つきっかけ」ではインターネット(PC)が75.8%と最も多く、次いでテレビが75.6%と続く結果になった。

下記の行動をする場合、各ポイントであなたが参考にするものは何ですか?

さらに「商品についての情報収集」ではインターネット(PC)が他メディアに大差をつけて89.7%と最も多く、次いで実店舗が43.4%、カタログが37.9%という結果になった。また、「商品の購入場所」についてはインターネット(PC)が85.5%で最も多く、次いで実店舗が71.8%となり、インターネットが頻繁に活用されていることが伺える。

これら3つの結果から、ユーザーは一連の商品購入に関してインターネット(PC)を利用する傾向にあることがわかる。

ほんの数年前までは、カタログ通販やTVショッピング、または実際に商品を自分の目で確かめて購入したいと考えるユーザーが多かったが、インターネットでのオンラインショッピングの手軽さや信頼性の高まりによって、インターネット(PC)をメインに利用するユーザーが大半になりつつあると言えるのではないだろうか。

現在のオンラインショッピングサイトは商品を多くのアングルから閲覧できたり、動画で紹介されているなどユーザーを楽しませる要素の強いサイトが続々と登場していることも、利用を加速させている要因の1つであると考えられる(※参照:「ショップジャパン」)。

クレジットカードでの決済が半数以上

Q3では最も利用するオンラインショッピングの決済方法について尋ねたところ、「クレジットカード」が52.2%と半数以上おり、次いで「商品代引き」が14.5%、「コンビニ払い」が14.1%という結果になった。

あなたがもっとも利用する「オンラインショッピングの決済方法」は何ですか?

2007年2月に調査した「第3回オンラインショッピングに関する調査」と比較すると、クレジットカードで決済するユーザーは4ポイント弱低くなったものの、全体的な決済方法の割合に変化はあまり見られなかった。

決済方法はクレジットカードが主流で、ユーザーがオンラインショッピングに手軽さや便利さを求めていることが伺える。

利用時間は平日と休日で違いがない

Q4では、オンラインショッピングを利用する際、1回あたりどの位の時間利用するか、平日と休日のそれぞれについて尋ねたところ、平日では「30分未満」が39.8%と最も多く、次いで「30分~1時間未満」が37.7%と続く結果になった。

一方、休日では「30分~1時間未満」が37.9%と最も多く、次いで「30分未満」が31.4%、「1時間~2時間未満」が17.9%」と続いた(※選択肢の「利用しない」は平日か休日のどちらかを利用しないという意味を示す)。

あなたがオンラインショッピングを利用する際、どの位の時間利用しますか?平日と休日それぞれお答えください。

平日と休日を比較すると、両者に大きな違いは見られなかったが、やや休日の方が長時間インターネットを利用するユーザーの割合が多いことが伺える。

モバイルでの購入者のほうが購入金額が高い!?

Q5では、オンラインショッピングにおける、1回当たりの購入額を尋ねたところ、「3,000円以上5,000円未満」が38.9%と最も多く、次いで「5,000円以上10,000円未満」が35.2%、「1,000円以上3,000円未満」が17.0%となっており、10,000円未満と回答したユーザーをまとめると92.8%、10,000円以上は7.2%という結果になった。

あなたがオンラインショッピングを利用する際、1回当たりの購入額は平均いくらくらいですか?

以前Webマーケティングガイドが調査した「モバイルオンラインショッピングに関する調査(上)」によれば、モバイルオンラインショッピングで1回に購入する金額について10,000円未満と回答したユーザーは70.6%、10,000円以上が29.3%となっており、モバイルでの購入者の方がやや購入額が高いことが伺える。

但し、『インターネット白書2007』によれば、PCでの1年間の平均購入金額は1万円未満が52.2%、1万~5万未満が26.6%という結果が出ているものの、『ケータイ白書2007』によれば、モバイルでの1年間の平均購入金額は1万円未満が53.2%、1万~5万未満が33.6%となっており、PCとモバイルにそれ程大差がないことがわかる。

オンラインショッピングでの購入経験は現在、30代・40代の男性と20代・30代の女性の割合が非常に高く、今後50代・60代のシニア層が手軽に購入できる仕組みを作りあげていくことにより、1回の購入金額にも変動が見られるかもしれない。

購入の決め手は「安価」「手に入りにくい」

Q6で、オンラインショッピングで購入するものの特徴について尋ねたところ、「安価なもの」が56.0%」と最も多く、次いで「手に入りにくいもの」が50.7%、「ポイントが多くつくもの」が36.2%という結果になった。

オンラインショッピングで購入するものはどのようなものが多いですか?

過去の調査からも「安価なもの」の例として、「書籍・雑誌」や「衣料品」、「食料品・飲料・アルコール」などが挙げられ、半数以上のユーザーにとってオンラインショッピングが日用品購入の場になっていることが伺える(※参照:オンラインショッピングの利用-第4回-[マイボイスコム])。

また当初から、楽天アマゾンYahoo!ショッピングによって商品を購入すればするほどポイントが還元されるというユーザーのメリットとなるサービスが非常に多く提供されており、ポイントシステムがオンラインショッピングの人気に拍車をかけているとも言えるのではないだろうか。

26.3%のユーザーは明確な目的を持たずにECサイトを訪れる

Q7では、どのような目的でECサイトに訪れるかを尋ねたところ、「購入したい商品があるので、ECサイトを訪れる場合が多い」が42.5%と最も多く、次いで「購入したい商品はないが、ECサイトを訪れる場合が多い」が26.3%と続く結果になり、商品購入に明確な目的を持たずにECサイトへ訪れるユーザーが3人に1人いることがわかった。

あなたがECサイトを訪れる際についてお尋ねします。

このことから、サイトへの誘導方法によって、商品購入を目的としていないユーザーの購入意欲を高めることが可能であるといえるのではないだろうか。

「お買い得」「限定」はもちろん、商品の「見せ方」もポイント

Q8では、オンラインショッピングで購入目的ではない商品に対して、興味を持つ点を尋ねたところ、「お買い得だから」が70.5%と圧倒的に多く、次いで「画像に魅力を感じたから」が30.9%、「インターネット限定の販売だから」が22.7%と続いた。

あなたがオンラインショッピングで購入目的にはない商品に対して思わず興味を持つポイントは何ですか?

過去のデータからもお得感や手頃感が購買意欲を高める大きな要因になっていることはうなずけるが、画像での見せ方もユーザーの購買要因に深く関わっていることがわかる(※参照:ネットショッピング、利用の決め手は「低価格で送料無料」)。

特定のECサイトを利用するとは限らない

Q9では、オンラインショッピングで購入しようとする場合、具体的にどんな方法で商品を探しているか尋ねたところ、「商品名やキーワードで検索して、見つかったサイトで探す」が54.9%、「決まったECサイト内で探す」が45.1%と続く結果になった。

あなたがオンラインショッピングで購入しようとする場合、具体的にどんな方法で商品を最もよく探していますか?

半数以上のユーザーは、特定のECサイトで購入しているわけではなく、まず自分の購入したい商品に関連したワードで検索をしていることが伺える。

このことからECサイトの商品の種類を充実させると共に、検索エンジンで検索されるであろうことをあらかじめ想定したサイトまでの導線作りが必要だと言えるのではないだろうか。

送料と配送時間が利用のネック

Q10では、オンラインショッピングに関する不満な点を自由回答形式で尋ねたところ、「品物は安くても送料は高い」「届くまで時間がかかる」、「画像と現物品に異なりがある」という回答が目立った。

Q4.あなたは現在オンラインショプにどんな不満を感じていますか?
ご自由にお答え下さい。(自由回答、n=475)
オンラインショッピングに関する不満な点
品物は安くても送料が高い
届くまで時間がかかる
土日に購入できない
代引き手数料がかかること
素材等、写真ではわかりにくいことがある
商品の説明が不足している
試着などができない
在庫が少ない
現物を見たり触れたりできない
画像と異なる場合がある
セキュリティが不安
クレジットカード決済が出来ない店舗がある
※データは一部抜粋

商品よりも送料が高くつくと回答しているユーザーは非常に多く、小額の買い物にオンラインショッピングが不向きであると言えるのではないだろうか。たとえば、サプリメントを1袋だけ購入する際、商品代金が500円前後でも送料が1,000円近くかかるなどだ。

またQ8で画像の魅力をきっかけに商品を購入しても、届いた商品を見て違和感を感じるユーザーもいるかもしれない。今後どのように商品を見せていくのかは運営者にとって大きな課題であると言えるだろう。

男女別/PC・モバイル別での詳しい調査

ここからは、Q1の利用頻度、Q2の参考にするメディアに関して、男女別/PC・モバイル別により詳細な調査を行った。

男女の利用頻度はほぼ同じ

Q11-1で、どの位の頻度でPCのオンラインショッピングを利用しているか尋ねたところ、男女共に「月に1回程度」が最も多い結果になった。

あなたは現在、どの位の頻度でPCのオンラインショッピングを利用していますか?

男女別に見た場合、男女で大きな違いは見られなかったが、女性で月1回以上購入しているユーザーは64.8%、男性で月1回以上購入しているユーザーは61.2%おり、やや女性の方がオンラインショッピングにアクティブだが、男性・女性双方のユーザーの結果に大きな違いはないことから、男性ユーザーも日常的にオンラインショッピングを利用しているといえる。

さらにQ11-2では、どの位の頻度でモバイルのオンラインショッピングを利用しているか尋ねたところ、女性では「利用したことがない」が74.4%と最も多く、男性でも78.8%と同様の結果になった。

あなたは現在、どの位の頻度でモバイルのオンラインショッピングを利用していますか?

モバイルに関しても若干ではあるが、PCと同様にオンラインショッピングは女性が多く利用していると考えられる。

以前調査した「第1回20代男性のモバイル利用に関する調査」で、20代男性と女性ではモバイルを利用する時間が異なることがわかっているが、利用用途についてはそれ程変わりがないと考えられる。

参考にするメディアは、男性がインターネット、女性がTV

Q12-1で商品に興味を持つ際に、参考にするものは何か尋ねたところ、女性では「テレビ」が79.4%と最も多く、次いで「インターネット(PC)」が73.5%となり、男性では「インターネット(PC)」が76.1%と最も多く、次いで「テレビ」が71.7%となった。

商品に興味を持つ際に、あなたが参考にするものは何ですか?

男女で大きな差が出たのは「カタログ」で、女性の53.4%が利用しているのに対して、男性では28.3%と低い結果になっている。これは、カタログ通販サイトで女性向けの大手サイトが、ニッセンやセシール、ディノス、ベルーナ、住商オットーと多数あるのに対し、男性向けではショップジャパンなど少数であることが要因ではないだろうか。

さらに、友人・知人からの口コミにより商品に興味を持つユーザーが女性では46.2%、男性では34.2%となっており、女性の方が友人・知人やチラシなど、身近な場面で意欲を高めやすいといえるだろう。

Q12-2では、商品の情報収集をする際に、参考にするものを尋ねたところ、男女共に「インターネット(PC)」が多く90%前後にのぼる結果になった。

(※今回の調査がPCにおけるインターネットユーザーを対象にしたリサーチであることを考慮する必要がある。)

商品の情報収集をする際に、あなたが参考にするものは何ですか?

男性は主にインターネット(PC)や実店舗を中心に情報収集をしているが、女性はそれら以外にカタログや友人・知人からの情報を活用しており、女性の方が男性よりもショッピングのモチベーションが高く、広い人的情報収集のネットワークを持っていることがいえるだろう。

ECサイトへ訪れる動きは男女で違いがない

Q13でECサイトを訪れる際の目的の有無について訪ねたところ、男女のECサイトへ訪れる動きが、類似する傾向にあることがわかった。

あなたがECサイトを訪れる際についてお尋ねします。

「購入したい商品があるのでECサイトを訪れる場合が多い」と回答したユーザーは、女性で42.9%、男性で42.2%いることが分かり、半数近くのユーザーはECサイトを訪れる際、商品の購入を検討しており、ECサイトへアクセスしていることが伺える。

また、ECサイトへの訪問目的が明確でないユーザーは25%強、そのときどきによって目的が異なるユーザーも30%前後おり、運営者は、ただユーザーが商品を購入しやすいサイト提供をしていくだけではなく、購入目的がなくてもサイトへ訪問すれば、驚きや楽しみをサイト内で味わえるようなサイトをユーザーへ提供していく必要があるだろう。

女性はイメージ、男性はスペック重視

Q14で、Q8の結果を男女別まとめた。すると、女性では「お買い得だから」が73.5%と圧倒的に多く、男性でも67.5%と続く結果になった。

あなたがオンラインショッピングで購入目的にはない商品に対して思わず興味を持つポイントは何ですか?

男女で各々の項目を比較してみると、非常に似通った傾向にあるように見えるが、女性では、「画像に魅力を感じたから」が37.4%、「インターネット限定の販売だから」が27.3%で、男性ユーザーの結果よりも割合が多く、男女の違いが表れているといえるのではないか。

つまり、女性=イメージ重視、男性=機能/性能(説明や文字)重視の傾向がQ14の結果から伺える。

女性のほうが、決まったECサイトで商品を探す

Q15で、オンラインショッピングで購入する場合、女性で決まったECサイト内で探すユーザーは47.5%いるにもかかわらず、男性ユーザーはわずか16.0%に止まっていることがわかった。

あなたがオンラインショッピングで購入しようとする場合、具体的にどんな方法で商品を最もよく探していますか?

一方で、男性の中で「商品名やキーワードで検索して見つかったサイトで探す」ユーザーは84.0%おり、大半の男性ユーザーは「検索→サイト→購入」の導線ができているといえるのではないだろうか。

これらの調査を踏まえると、男女ともにオンラインショッピングの利用は拡大しており、利用するメディアや商品に興味を持つポイントなどに、特別大きな差異は見られなかった。

しかし、購入の最も基点となる「商品を探す方法」の男女の違いに関しては、念頭に置いておく必要があるだろう。

調査概要

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調査対象は、16歳~59歳までの男女500人(※Q1でPCを使用してオンラインショッピングを利用したことがないユーザーが25人いたため、Q4~Q10、Q13~Q15の調査対象は475人となる)。男女比は、50%ずつの均等割り付けを行った。

  • サンプル数:500
  • 調査期間:2007年11月09日~2007年11月13日
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査機関:株式会社ボーダーズ
  • 対象者:16歳~59歳までの男女
  • 割付:男女50%の均等割付
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  • 本調査は、業界の全般的な調査であり、あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。
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