Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

SEOに詳しくない人の勘違いは、SEO関係者が正して啓蒙していくべきなんだよね

「競合相手のしていることを真似る」「リンクが多ければ検索順位は上がる」「トラフィックが減ったのペナルティのせいだ」などなど

「テキストを画像で隠された部分に置く」「競合相手のしていることを真似る」「リンクが多ければ検索順位は上がる」「トラフィックが減ったのペナルティのせいだ」「重複コンテンツはペナルティの対象になる」――SEOに熱心ではない人が信じ込んでいるこうしたことを、われわれは説き正し、彼らを啓蒙していかなければいけない。

この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

ネットに書いてあるのだから、本当だ。

すべての検索マーケターにとって命取りになりかねないのは、かつてクライアントに提供した古い情報や間違った情報だ。相手はそれをいまだに信じている。

この記事は、ある人たちとのやり取りから思い立った。その人とは、クライアントの社内の人々で、SEOについて日常的に考えているわけではない人たちだ。彼らを批判したいわけではなく、継続的な啓発が必要だということに注目してもらいたいのだ。間違った思い込みは、なかなか消えない。

それに、これはクライアントだけの問題ではない。友人や両親、パートナーも同じだ。どんな仕事をしているか説明しようとしたら、いまだに「ポップアップ広告を作っているんだろう」って尋ねられること、あるんじゃない?(私だけ? あらま)

この記事のために調べていたら、SEOに関する誤解が山ほど出回っていることに気がついた。

SEOはよく話題にのぼるが、その多くはおおむねコンテンツマーケティングやオンラインマーケティングに関するものだ。この記事で誤解をすべて解消しようと思っているわけではない。ここでは、SEOのアイデアにこびりついていて、なくなりそうもないように思われるいくつかの考え方をとりあげる。そのうえで、こうした誤解を信じている人たちに学習してもらうのに役立つ参考記事と代替となる解決策を示していく。

テキストを画像で隠された部分に置く

単なる思いつきに過ぎない。そのクライアントは、売上とページ上のコンテンツのバランスを取るのに苦労している。ページには大きな画像があるのだが、私たちはページを編集して、製品に関するコンテンツを追加するよう提案した。

すると、こう聞かれた。

画像の背後にコンテンツを置けば、両方の問題を解決できないか?

クライアントが一歩踏み込んですばらしい解決策を示したわけだが、これで私が思い浮かべたのは、noscriptタグにFlashの内容と合わないaltテキストやコンテンツが詰め込まれている事例がどれだけたくさんあったかということだ。

参考記事

解決策

このケースでは、情報が欲しいユーザー向けに折りたたみテキストを置き、リピートユーザー向けに既存の画像をそのまま表示しておくよう薦めた。

ユーザーのニーズもビジネスの目的も満たすバランスが必要だ。

競合相手のしていることを真似る

隠しテキストほど露骨ではないが、これも企業がやめようとしないものだ。競合相手が何かをしていると、やる価値があるに違いないと思ってしまう心の動きがある。

対象は自社より上の検索順位にある競合相手だが、単に気に入らないというだけの競合相手も含まれる。だれにも「打倒」したい競合相手という存在があり、そのためときには、調査や計画もろくにしないまま行動に走ってしまう。

アマゾンにはまったくいらいらさせられる。他社から尊敬されている大手ブランドが、「でもアマゾンがやっているから」という理屈を持ち出すのを何度聞いたことか。

アマゾンは、大企業ならたいていはやっているように多くのテストを繰りかえしており、テストに携わる人はそのたびに違う。大企業に勤めている人なら、私が言いたいことはわかってくれるはずだ。

参考記事

解決策

最高の結果を追求して、新規顧客を獲得し、既存の顧客を維持して、利害を同じくする仲間を喜ばせたいと思っているのはみんな同じだ。

競合相手に勝つには、顧客、クライアント、パートナー、従業員、投資家といった、各ステークホルダーの話に耳を傾け、こういった人々からのフィードバックや市場の動向に基づいて意思決定をすることだ。

リンクの多さと検索順位は比例する

これが誤りであることはもうさんざん論じられており、めまいがしそうだ。それでも、(MozやMajestic、Ahrefsなどサードパーティーのツールで報告される)リンクの総数が検索順位を決める唯一の要因だと多くの人々が考えている状況は変わらない。

検索結果ページ(SERP)に表示される順位を上げたい? じゃあ、リンクビルディングをしてくれる人を雇わなけりゃ!となる。

ここで、キーワード「insurance」(保険)で検索した結果のスクリーンショットを1つお見せしてから、関連記事とこの問題に対処するための解決策を紹介することにしよう。

1位のページは4万5479リンクしかないのに、13万825リンクの2位や9万2352リンクの3位よりも上位に表示されている。右側に表示されているドメイン名全体が獲得しているリンク数を見ても、順位とリンク数に直接の関係はない。
参考記事

解決策

これはむしろ「追加策」と言うべきだ。

リンクの獲得や他サイトで言及してもらうことは、今でも非常に重要だ。だが、すでに見たように、検索順位を決める唯一の要因とはけっして言えない

クエリに対するコンテンツの関連性や、ソーシャルデータ、QDF(Query Deserves Freshness:話題の新鮮さ優先の検索)、地域性、ニュース、パーソナライゼーションなど、検索順位に影響を及ぼし得るあらゆる要因を考えるべきだ。

リンク獲得につながるだけでなく、それらのリンクを通じて新規顧客を呼び込み、顧客が長期にわたってよさを広めてくれるようなマーケティング戦略に重点を置こう。

トラフィックの減少はペナルティを科されたことを意味する

次の2つはペナルティの問題に焦点を当てたものだ。実に多くの人が、ペナルティを恐れている。これは学校の成績で落第点を取った思い出がよみがえるのだと思う。あるいは、売上を失うことを心配しているのか。たぶんそうだろう。

ペナルティを科された企業があると、メディアはSEOをあれこれ取り上げ、多くの人が目にすることになる。リンク購入をめぐってFTD.comやOverstock.comがやり玉にあげられたときのような状況だ。

ある日、青天の霹靂のようにいきなり売上が落ちる。少し調査してみると、ウェブサイトのトラフィックが減少しているのがわかる。

しかも、これに加えて経営者の元には、胡散臭いSEO企業から、SEOを手伝えると言ったり、できもしないことを約束したり、ペナルティを警告したりするメールが、(ましな年で)少なくとも3か月に1回は舞い込んできていた。

こういう状況から導き出される論理的帰結は……「ペナルティ」だ! 私たちはみんなこういった状況を目にしたことがあるし、多くの優良代理店の情報ルートにはたいてい、まさにこうした状況にある企業からの訴えがあふれている。

問題なのは、状況を深く分析しなければ、ペナルティが科されたのかどうかわからない点だ。私はペナルティではない場合もいくつも見てきた。

可能性はいろいろある。

  • 開発者が、サイトのページにセクションを追加しようとして、そのセクションにnoindexタグを追加したか、そのセクションをdisallow(クロール禁止)にした。

  • URLの変更に伴ってサイトのデザインが変更された。これはやり方を間違えると、多くのサイトでトラフィックの減少を招きかねない。

  • 法人カードの有効期限が切れて更新されていないため、PPC広告由来のトラフィックがなくなった。

参考記事

解決策

折り返し電話をくれた最初の業者にあわてて対策を依頼する前に、することがある。

  • サイトのどの部分のトラフィックが失われたのかを調べること。

  • そのトラフィックは過去数か月の間どこから来ていたのかを調べること。

オーガニック検索からのトラフィックを失ったのか。それとも、有料検索か、参照トラフィックか、ソーシャルメディアからのものか。何が起こったのかを絞り込んで、そこから解明してみよう。

間違いなくオーガニック検索のものだと思ったら、日付を調べて、サイトに何か変更を加えなかったか開発担当者に聞いてみることだ。何も変更してなかった場合は、Googleウェブマスターツールをチェックして、ペナルティについてグーグルから何かメッセージが来ていないか確認してみてほしい。

確実にオーガニック検索が原因で、なおかつメッセージが来ていなければ、そのときこそ評判のよい代理店にコンタクトをとろう。

重複コンテンツはペナルティの対象になるおそれがある

私は数年前、まさにこのトピックについてPubconで話をしたことがある。重複コンテンツがどんなもので、どうすれば修正できるのかを時間をかけて理解しようとする人はあまりいない。

もっと問題なのは、こんな誤解があることだ。

重複コンテンツがペナルティを引き起こす。

重複コンテンツ自体がペナルティの対象となる。

クライアントの多くは、重複コンテンツがあると「検索エンジンの神」の怒りを買うと思っているが、それは正しくない(つまり、他人のサイトを丸ごとコピーした場合を別だが)。

ほとんどの場合、重複コンテンツはサイトパフォーマンスを低下させることになるが、トラフィックを大きく減らす原因となる可能性はほとんどないし、ましてや検索エンジンからペナルティを科されることなど決してない。

参考記事

解決策

心配はいらない。定期的にGoogleウェブマスターツールにアクセスして、title要素やmeta descriptionタグの重複を確認すれば、サイト上で何が重複コンテンツやクローリングの問題を引き起こしているのか、簡単に調べることができる。

メンテナンスこそが最良の薬なのだ!

啓発のすすめ

私たちはときおり自分の生きる世界がすべてのような錯覚に陥り、そこではやることすべてに関する認識が共有され、上述したような情報は全部、だれもがわかっているような気になる。

しかし、損益計算書の作成方法を聞かれたら、あなたは 答えられるだろうか? 答えられる人もいれば、答えられない人もいるだろう。

でも、言いたいことはわかってもらえるよね。あなたが属する場所で、相手がクライアントであろうと同僚であろうと、時間を取って質問に答えてあげよう。他の人に教えることで自分自身がどれほど学べるか、きっと驚くと思う。

◇◇◇

写真クレジット:

  • INTERNET OPEN(インターネット可):Blaise Alleyne
  • Hiding Cat(隠れている猫):Aftab Uzzaman
  • Penalty(ペナルティ):Daniele Zanni
  • Educate(啓発):Sean MacEntee
用語集
Googleウェブマスターツール / PPC / QDF / SEO / SERP / meta description / オーガニック検索 / クロール / ステークホルダー / ソーシャルメディア / ドメイン名 / フィード / リンク / リンクビルディング / 検索エンジン / 重複コンテンツ
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