日本のWeb担当者2000人の大調査報告書

アクセス解析の実施企業は48%で平均2.76指標をチェック

[特集]日本のWeb担当者

アクセス解析は半数が実施しており平均2.76指標をチェック

TEXT:インプレスR&D インターネットメディア総合研究所、編集部

ウェブサイトの特徴の1つとして、雑誌などの印刷物と比較して、コンテンツやページを追加したり変更したりするコストが安いことがあげられる。印刷物ならば完成したものを修正するには比較的大きなコストが発生してしまうが、ウェブサイトならばそういった問題はない。そのため、短いサイクルでPDCAをまわし、より効果の高いウェブサイトに随時改善できるのだ。ただし、それを実現するには現状のウェブサイトの効果がどうなっているかを正しく把握する必要がある。それを実現するのがアクセス解析で、いまや企業のウェブサイト運営にアクセス解析は必須だといっても過言ではない。

近年ものすごい勢いで進化しているアクセス解析ツールだが、他のWeb担当者はどのように使いこなしているのだろうか。

アクセス解析をしているのは全体の半分

アクセス解析を「定期的に行っている」企業は全体の17%、「不定期に行っている」企業が31%。アクセス解析をしている企業としてこれを合わせると48%となり、アクセス解析している企業としていない企業が半々となっている(図1)。

アクセス解析をしていない企業は、ウェブサイトの効果をどのように測っているのだろうか。不定期でもいいのでまずはアクセス解析をしてみることをお勧めする。

図1 アクセス記録の収集・解析状況
図1 アクセス記録の収集・解析状況
Copyright © 2007 impress R&D All rights reserved.

22%の企業がアクセス解析を毎日確認

アクセス解析を行う頻度をみると(図2)、最も高いのは「毎日」の22%であり、次いで「随時」の21%、「週に数回」が16%となっている。週に1回以上確認する企業とそれ以下の頻度の企業でちょうど半々となっている。最近のアクセス解析ツール(サービス)では、指定したスケジュールで定期的にレポートをメール送信してくれるものもあるので、うまく利用するといいだろう。

図2 アクセス解析情報の確認頻度
図2 アクセス解析情報の確認頻度
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多くのユーザーは無償のソフトを利用

アクセス解析に用いるソフト(図3)は、「ホスティング会社などの提供する解析ツール」が26%でトップであり、次いで「その他」が20%、「Google Analytics(グーグル)」が12%となっており、無償のソフトを利用する企業が多いことがうかがえる。

図3 導入済みのアクセス解析製品(複数回答)
図3 導入済みのアクセス解析製品(複数回答)
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PVもUUも検索ワードも経路も確認

アクセス解析で確認する指標は(図4)、「PV(ページビュー数)」が71%と最も多いが、それ以外にも「検索キーワード」が48%、「経路」が37%、「UU(ユニークユーザー数)」が32%と続く。

図4 アクセス解析で主に確認する指標(複数回答)
図4 アクセス解析で主に確認する指標(複数回答)
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1企業あたりの平均指標数は2.76個であり、多くの企業が複数の指標で確認していることがわかる。

インターネット視聴率調査の大手米Nielsen//NetRatingsは、FlashやAjaxなどを使ったサイトでは特別な工夫をしないとPVを正しく計測できないことなどの理由から、サイトの価値を測る最良の指標は、これまで使ってきたPVではなく滞在時間であると発表している。ウェブサイト関連技術の進化やネットの利用スタイルの変化に対応した形だが、企業ウェブサイトでも同様に、ユーザー層やサイト内のコンテンツの種類などさまざまな要素を考慮して、確認する指標を判断するのがいいだろう。

解析は基本的に自社で行う

アクセス解析を行う担当者では(図5)、「自分・自分の所属部署(兼業)」が38%と最も高く、次いで「自分・自分の所属部署(専業)」が13%となっている。

図5 アクセス解析業務の担当者(複数回答)
図5 アクセス解析業務の担当者(複数回答)
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「アウトソーシング先のウェブサイト制作会社」や「広告代理店」などの外部の企業にアウトソーシングしている企業は11%、アクセス解析を行っていない企業を除くと15%程度となる。

おそらくアウトソース先に解析を任せているのは、定期的にレポートを送ってもらったりしているのだと思われるが、アクセス解析はいってみればウェブサイトの経営分析。可能な限り自社で行うのが望ましいだろう。

アクセス解析のデータを確認する担当者は(図6)、「ウェブ担当者」が55%と最も高く、「経営者」の36%、「管理職」の19%と続く。中小企業の比率が高いことから、経営者自らアクセス解析のデータを確認する比率が高いのだと思われる。

図6 アクセス解析の結果をだれが確認するか(複数回答)
図6 アクセス解析の結果をだれが確認するか(複数回答)
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インターネット利用動向調査<ウェブ担当者編>2007 調査概要
  • 調査対象:企業におけるウェブサイトの企画および制作・運用・管理、およびオンラインマーケティング担当者
  • 対象地域:全国
  • サンプリング:NTTレゾナント株式会社gooリサーチの保有するアンケートパネルからの条件抽出によるメール配信、アンケートサイトへの誘導
  • 有効サンプル数:2154
  • 調査期間:2007年4月18日(水)~5月2日(水)

※『インターネット白書2007』に収録された資料と同じ設問もあるが、同書の約2倍のサンプル数を対象としており、データ精度が高くなっている。

※本調査の集計は、実際の状況に近い市場の代表性の高いデータとするために日本全体の業種別雇用者規模別のウェブサイト開設企業数に整合するように比重調整を行っている。このため、回答結果は日本の9割を占める50人未満の中小企業の実情に強く影響されていることに留意されたい。

『インターネット利用動向調査報告書〈ウェブ担当者編〉2007』

インターネット利用動向調査報告書〈ウェブ担当者編〉2007

http://www.impressrd.jp/iil/net07_web

本記事は、インプレスR&Dによる『インターネット利用動向調査報告書〈ウェブ担当者編〉2007』の資料を基にしている。同調査報告書は、「個人動向編」「企業動向編」「ウェブ担当者編」の3種類の調査による「インターネット利用動向調査」のうち、企業のウェブ担当者の利用動向をまとめたもの。

本記事で紹介した内容以外にも、ブログやSNSの利用、Web APIの利用、コンテンツ連動型広告やアフィリエイトの導入状況、B2C/B2Bの売り上げ比率、ドロップシッピングの利用状況、Web2.0に対する取り組みや売り上げ規模など、さまざまな設問や集計軸による詳細な集計結果が収録されている。

  • 価格(税別):
    • 書籍:98,000円
    • PDF版(プリントアウト可):98,000円
    • PDF版(プリントアウト不可):49,000円
    • サイトライセンス利用期限1年):98,000円
    • サイトライセンス利用期限なし):196,000円
  • サイズ・判型:A4版
  • ページ数:400P(仮)
  • 調査・執筆:インプレスR&D インターネットメディア総合研究所
  • 発行:株式会社インプレスR&D
  • 発売:株式会社インプレスコミュニケーションズ

この利用動向調査報告書に関して、詳しくはhttp://www.impressrd.jp/iil/net07_webを参照。

用語集
SNS / Web担当者 / アクセス解析 / アフィリエイト / ウェブマスター / コンテンツ連動型広告 / ドロップシッピング / ページビュー / ユニークユーザー / 市場動向 / 広告代理店 / 視聴率 / 調査
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