Googleアナリティクス セグメント100選

Googleアナリティクス使いこなしのカギはセグメントにあり! (第1回)

Googleアナリティクス使いこなしのカギはセグメントにあり!毎回1つずつ、具体例を挙げながら、セグメント設定と分析例を紹介していく新連載。

今回から始まる本連載「Googleアナリティクス セグメント100選」では、Googleアナリティクスで分析をおこなう上で有用な機能の1つであるセグメントにフォーカスを当てる。できるだけ具体的に、

  • どういうサイトで
  • どのような目的の場合に
  • どのようなセグメントを利用すると有効か

という視点で、1回につき1セグメントをなるべくシンプルな形で紹介していく予定だが、第1回となる今回は、セグメントとは何で、活用するとどういう価値があり、Googleアナリティクスでどうやってセグメントを設定するのかを解説する。

セグメント(=分割)は分析の第一歩

「セグメント」とは、「部分」「断片」「分割されたもの」などの意味を持つ英単語で、要するに、「全体をいくつかに分割したうちの1つ」ということだ。そもそも「析」や「かる」という言葉に「分(ける)」という文字が含まれていることからもわかるように、「分割して見る」という行為は、データを分析・解析して本質を究明するための第一歩である。

Web解析に限らず、調査データを分析する上では、平均を計算したり、分布を集計したりと、いろいろな手法を用いる。しかし、データ全体の平均や分布(バラつき)を見るだけで、すぐに本質に突き当たることは少ない。

たとえばアンケート調査の分析では、各設問の答えの分布を集計するのは当たり前だが、初心者でも属性別の分析、つまり男女別や年齢別、地域別、職階別などでクロス集計を必ずするものだ。

図1は架空の例だが、何かの賛否を問う質問に対して3択のアンケートを行った結果をまとめたものだとしよう。

図1:性別、年齢別の賛否分布

全体では賛成が3割、反対が3割、どちらとも言えないが4割となっている(図1赤枠部分)。賛否が割れていると考えられるが、これを男女別に分けてみると、男性はおおむね賛成が多く、逆に女性はおおむね反対が多いという傾向(図1青枠部分)が見える。年齢別でも意見が大きく分かれているといったことがわかる。

ここまで見えてくると、さらに、年齢別性別の多重クロス集計を行ってみたくなる。このようにしてどんどん問題意識に応じて分析を深めていくことができる。

このように、調査データをさまざまな属性別のセグメントにブレイクダウン(切り分け)してみると、別の様相が見えてくることは普通だ。

なぜ性別で意見が異なるのか。地域別でも意見が違うのか、それに対してどういう解決策を考え、施策を提示するのか。これが分析する意義というものだ。

Googleアナリティクスではディメンションが分析軸

一方、Web解析では、さまざまな指標や分析軸(Google アナリティクスではディメンションと呼ぶ)が多く存在するために、どういう場面でどのような分析軸を使うと意味のある分析になるのかに戸惑うこともあるだろう。手当たり次第にセグメントを掛けるのは時間の無駄になることも多い。そこでこの連載では、Google アナリティクスを前提として、セグメントを掛ける際に、

  • 目的に応じてどの分析軸(ディメンション)を利用するのか
  • 用意されているディメンションにない分析軸でデータを抽出するための「セグメント」機能で、どのように指定すると有効なのか

を紹介していきたい。「そんな分析軸があったのか」という気づきもあるかもしれない。利用するツールはGoogle アナリティクスなので、他のツールを利用している場合に、まったく同じことはできないかもしれないが、考え方だけでも参考にしていただきたい。

Google アナリティクスは、そもそも多くのレポートで、各分析軸別に各指標を見ることができるようになっている。Google アナリティクスの言葉では「ディメンション」が、すなわち分析軸そのもので、これがレポート名になっている場合が多い。

たとえば図2は、[集客]>[チャネル]レポート(図2赤枠部分)のデータ一覧表示部だが、一番上の行(図2青枠部分)はサイト全体の主要指標があり、その下に集客カテゴリをグルーピングしたディメンションである「チャネル」という分析軸の項目別に指標の明細を見ることができるという構造になっている。つまりレポート名が分析軸そのものの名称でもあるということが言える。

図2:[集客]>[チャネル]レポート

なおディメンションと指標については、下記を参照してほしい。

1つひとつの分析軸単体は当たり前なものが大半だが、それらを組み合わせるといった方法もある。また同じ分析軸といっても、セグメント機能を使うだけでなく、折れ線グラフ上に表示させる方法とか表現方法は複数あるので、目的にふさわしい方法も紹介していきたい。機能面で代表的なものだけ紹介しておくことにしよう。

セグメント機能の使い方

Google アナリティクスのセグメント機能は、多くのレポートの左上にある[v]のようなマーク(図3赤枠部分)をクリックすると表示される。

図3:セグメント機能

「セグメント」機能は2013年に大きな進化をとげている。それ以前は訪問レベルの条件でしかデータを絞り込むことができなかったが、今はユーザー レベルで条件指定できるようになったので、大幅にユーザー体験を正確に把握することまで可能になってきたと言えるだろう。

デフォルトで用意されているセグメント以外にも、自分のサイトの事情に応じてセグメントを新規作成することもできるので、かなり複雑な条件でも自作できるだろう。このセグメント機能については、下記も参照してほしい。

「グラフに表示」機能の使い方

この機能を使うと、レポート画面上部の折れ線グラフで、簡単にディメンションの項目別にデータを見ることができる。

操作手順
  1. グラフ表示したいディメンションの項目にチェックをする(図4赤枠部分)
  2. [グラフに表示]ボタン(図4青枠部分)をクリックする

すると、全体の折れ線グラフに加えて、選択した項目の折れ線グラフも加わる(図4緑枠部分)。

図4:グラフに表示

これは、時系列トレンドを上部の折れ線グラフで見ることで、相対的な変化を項目別に比較するような場合に有効な方法だ。

セカンダリ ディメンションとピボットテーブルの使い方

2つの分析軸(ディメンション)を掛け合わせて見ることができるのが、セカンダリ ディメンションとピボットテーブル表示だ。これもセグメントを切って分析する形の一種と言えよう。図5は「ブラウザとOS」レポート(図5赤枠部分)でセカンダリ ディメンションを使って、ブラウザ別(図5青枠部分)、オペレーティング システム別(図5緑枠部分)のデータを見たものだ。

図5:セカンダリ ディメンションの使用例

図5と同じような集計だが、ピボットテーブルを利用すると、図6のようにクロス集計のフォーマットで見ることができる。

操作手順
  1. ピボットテーブルの機能(図6赤枠部分)をクリックする
  2. ピボットの指定で「オペレーティング システム」を選択(図6青枠部分)する

すると、図6のようなレポートが作成できる。

図6:ピボットテーブルの使用例

セカンダリ ディメンションでは、「オペレーティング システム」が左から2列目(図5緑枠部分)に配置されるのに対して、ピボットテーブルでは表頭(図6緑枠部分)に配置されるという違いになる。

セカンダリ ディメンションとピボットテーブルについては、下記でも詳しく解説してあるので興味があったら見ておいてほしい。

今回は、今後の連載で利用する機能面について触れた。冒頭でも述べたように、本連載では、どういうサイトで、どのような目的の場合に、どのようなセグメントを利用すると有効かという視点で、なるべくシンプルに1回につき1セグメントを紹介し、簡単に読み切れるような記事にするつもりだ。楽しみにしていただきたい。


Googleタグマネージャでユニバーサル アナリティクスを実装する方法を詳しく解説する講座(2016/4/19)申し込み受付中。詳細とお申し込みはこちらから

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

アクセシビリティ
広義には、障害者、高齢者を含むすべての人間が、同じレベルでサービスや機器、施設を ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]