グーグルの検索結果に「著者」として自分の名前と写真を出すGoogle Authorship Markupの設定方法

Googleで検索された際に、検索結果に原作者の情報(写真や名前)を含んだリッチスニペットを出す方法

グーグルの検索結果ページに、コンテンツの著者の写真や名前が併せて表示されているのを見たことがないだろうか? この記事では、自分のサイトのコンテンツが検索結果に表示されたときに、そうした著者情報を表示するための「Google Authorship Markup」について解説する。

Google Authorship Markupで指定した著作者情報の表示例

「Google Authorship Markup(グーグル・オーサーシップ・マークアップ)」は、自分が著作したコンテンツと著作者情報を紐付けることで、グーグル検索でそのコンテンツがヒットした際に、検索結果ページ(SERP)に著作者の情報(写真や名前)を含んだリッチスニペットを出す仕組みだ。

上図は、「アトリビューション 本」で検索した際に表示される筆者のサイトの表示例だ。赤枠で囲んだ結果が私のブログページへのリンクである。写真など、他の結果と比べても違う表示がされていることがわかるだろう。日本では、まだあまり設定例が多くないと思われるので、見たことがない人もいるかもしれない。

検索マーケティングというと、検索順位をアップさせたりキーワードを選んだりということに注目が集まりがちだが、こうした新しい技術を採用して検索結果ページで検索ユーザーの視線を留めさせるのも、検索マーケティングでは重要な要素の1つなのだ。

Google Authorship Markupを設定するとどうなる?

Google Authorship Markupを設定すると、ユーザーが検索した際に、検索結果に追加の情報が出る。この追加の情報には、次のようなものがある。

  • 著作者の写真
  • 著作者名
  • Google+ページへのリンク
  • Google+フォロワー数

これらの情報が出るか出ないかはグーグルのアルゴリズムによって決まる。そのため詳細は把握できていないが、グーグルのクローラーが新しいコンテンツを発見した際、AuthorRankがPageRankに何らかの影響を及ぼしていると考えられている。

3つの設定方法

グーグルは、Google Authorship Markupの情報を検索結果に表示するために「著作者」と「著作者が発行したコンテンツ」との紐付けを認証する必要がある。その紐付けをグーグルに伝える方法は、次の3通りある。

  • 3リンクメソッド
  • 2リンクメソッド
  • メール認証メソッド

コンテンツは、自社ドメイン名のブログで公開したり、Web担当者Forumのような第三者のコンテンツサイトに寄稿したりと、さまざまな形でウェブ上に公開することがある。上記3つの方法は、そうした状況に合わせて使い分けることになる。

要は、自分が執筆したコンテンツページを編集する自由度がどの程度あるかによって、上記の3つの方法から適切なものを選べばいい。

では、一つひとつ解説していこう。

共通の手順まずはGoogle+プロフィールを設定する

どのメソッドを使う場合でも、Google+プロフィールを設定することは共通で必要になる。

すでにグーグルアカウントを持っていれば、とりあえずのGoogle+プロフィールは存在するはずだ。プロフィール情報をすでに登録している人もいるかもしれない。

Google Authorship Markupでは特定の情報をGoogle+プロフィールに登録することを条件としているので、以下の手順で登録しておく。

  1. https://profiles.google.com/を開く。

  2. グーグルアカウントへサインインする(必要な場合はアカウントを作成する)。

  3. プロフィール写真をアップロードする。顔が写った写真であること(検索結果に出てくる写真はかなり小さくなるのでそれも考慮する)。

    ※マンガ画像やウェブから無断コピーした画像などは絶対に使わないこと。
  4. プロフィールトップ画面に戻り、[プロフィールを編集]ボタンをクリックする。

  5. [投稿][基本情報]などの並びの右にある[+1]をクリックし、下に表示される[このタブをプロフィールに表示する]にチェックを入れて[保存]ボタンをクリックする。

  6. [基本情報]>[他のプロフィール]>[カスタム リンクを追加]をクリックし、各種ソーシャルメディアのURLとラベル名(そのリンクのわかりやすい名前を自分で指定する)を入力して保存する。

  7. プロフィール編集画面にある「キャッチフレーズ」「紹介」「職歴」などの、自分を知ってもらううえで役に立ちそうな情報も入力しておくといいだろう。これらの要素はAuthorship Markupの設定上は必要とされていないが、このGoogle Authorship Markupが反映された検索結果から辿ってプロフィールページを見た人に、著作者としての信頼性を印象づけることに貢献するためだ。

  8. Google+プロフィールを入力したらページの上部にある[編集を終了]ボタンを忘れずにクリックする。

  9. このGoogle+プロフィールのURL(21桁のIDを含んでいる)は後ほど必要になるので、メモしておくこと。

設定方法13リンクメソッドの場合の設定方法

「3リンクメソッド」は、“コンテンツ”と“著作者のバイオグラフィーページ”が同一のドメイン名にある場合に使う方法だ。

ここでいう「著作者のバイオグラフィーページ」とは、著作者紹介のために作られたページのことを示す。たとえば、私のバイオグラフィーページは自社サイトにある。このバイオグラフィーページと自社サイトに掲載しているコンテンツを紐付けるために「3リンクメソッド」を使うことになる。

このメソッドを使う上での条件

  • 著作者のバイオグラフィーページとコンテンツページのドメイン名が同一である
  • コンテンツページにおいて、著作者の名前がアンカーテキストに含んだ形で、著作者のバイオグラフィーページにリンクしている
  • これらのページのソースコードを編集できる権限を持っている

設定方法

  1. 自分のサイト上にある著作者のバイオグラフィーページに、「Google+」というアンカーテキストを使いGoogle+プロフィールページへのリンクを追加する。

    その際に、Google+へのリンクにアンカータグ属性「rel="me"」を追加すること。以下に例を示す。

    <a href="https://plus.google.com/111111111111111111111" rel="me">Google+</a>
    注意:赤字で示したGoogle+のIDの部分は自分のGoogle+プロフィールのIDを指定すること。
  2. 自分のサイト上にあるコンテンツページに、著作者のバイオグラフィーページへのリンクを入れる。

    その際に、アンカーテキストは著作者名(つまり自分の名前)にしたうえで、リンクタグに「rel="author"」属性を追加すること。以下に例を示す。

    <a href="バイオグラフィーページのURL" rel="author">著作者の名前</a>
    注意:赤字で示したバイオグラフィーページのURLとアンカーテキスト(著者名を入れる)は、それぞれ自分のバイオグラフィーページのURLと著者名を指定すること。
  3. Google+プロフィールで[プロフィールを編集]>[基本情報]>[他のプロフィール]をクリックする。

  4. [カスタムリンクを追加]をクリックし、自分のサイト上にあるバイオグラフィーページのURLとラベル(任意)を入力して[保存]ボタンをクリックする。

  5. Google+プロフィール[編集を終了]ボタンをクリックしてプロフィールを保存する。

  6. 下記の「Google Authorship Markupコードが有効かを確認する」を実行する。

以上で「3リンクメソッド」の手順は完了だ。

設定方法22リンクメソッドの場合の設定方法

「2リンクメソッド」は、著作者のバイオグラフィーページがコンテンツと同一ドメイン名でない場合に使う(外部サイトに寄稿する場合など)。

通常は、コンテンツページの一番下の部分に短い著作者紹介のスニペットがあるような場合だ(本記事の下を参照)。

このメソッドを使う上での条件

  • 各コンテンツページに著作者の紹介文部分とGoogle+プロフィールページへのリンクがある
  • これらのページの内容を編集できる権限を持っている

設定方法

  1. コンテンツページ内の著作者の紹介文部分に「Google+」というアンカーテキストを使いGoogle+プロフィールページへのリンクを追加する。以下に例を示す。

    <a href="https://plus.google.com/111111111111111111111?rel=author">Google+</a>
    注意:赤字で示したGoogle+のIDの部分は自分のGoogle+プロフィールのIDを指定すること。また、リンクURLに「?rel=author」というパラメータが付いていることにも注意。
  2. Google+プロフィールで[プロフィールを編集]>[基本情報]をクリックする。

  3. [投稿先]をクリックする。

  4. [カスタムリンクを追加]をクリックし、コンテンツを掲載しているサイトのトップページのURLとラベル(任意)を入力する(たとえばWeb担当者Forumのサイトに寄稿している場合は、Web担当者ForumのトップページのURLを入力する)。

    [投稿先]にカスタムリンクをいくつか追加した状態

    入力が終わったら、[保存]ボタンをクリックする。

  5. Google+プロフィール[編集を終了]ボタンをクリックしてプロフィールを保存する。

  6. 下記の「Google Authorship Markupコードが有効かを確認する」を実行する。

以上で「2リンクメソッド」の手順は完了だ。

設定方法3メール認証メソッドの場合の設定方法

メール認証メソッドは、著作者がコンテンツの中に著作者のバイオグラフィーページへのリンクやGoogle+プロフィールへのリンクを加える権限がなく、メールアドレスのみを加えることができる場合に使う(ただし、メールアドレスはコンテンツのサイトと同じドメイン名のものであること)。

このメソッドを使う上での条件

  • コンテンツページの著作者紹介部分にGoogle+プロフィールに登録されているものと同じ著作者名を使う
  • 著作者名にコンテンツのサイトと同じドメイン名のメールアドレスをリンクする

設定方法

  1. Google+プロフィールの「Google+ プロフィールを自分が作成したコンテンツにリンクしましょう」ページにアクセスする(グーグルアカウントが必要)。

  2. コンテンツの著作者紹介部分で使うメールアドレスを入力し、[投稿者として登録]ボタンをクリックする。

    「Google+ プロフィールを自分が作成したコンテンツにリンクしましょう」ページ
  3. グーグルから確認メールが送られてくるので、受信できたらメール内のリンクをクリックすると、メールアドレスが認証される。

  4. 認証が成功したメールアドレスは、自動的にGoogle+プロフィール内の「連絡先(仕事)」部分に登録される。また、Google+プロフィール内の「投稿先」部分にメールアドレスで使われているドメイン名を登録してくれる。

以上で「メール認証メソッド」の手順は完了だ。

WordPressを使っている場合の注意点

WordPressはGoogle Authorship Markupで使う「rel="xxx"」アンカータグ属性を自動的に取り除いてしまうため、追加の設定が必要になる。

この設定が必要な場合は、Rick DeJarnette氏のGoogle Authorship Markupに関するコラムを参照してほしい。

Google Authorship Markupコードが有効かを確認する

「3リンクメソッド」または「2リンクメソッド」を使ってGoogle+プロフィールとコンテンツページの設定が完了したら、正しく設定できているかを確認しておくといいだろう。これを簡単に行える方法をグーグルは提供している。

  1. グーグルのRich Snippets Testing Toolのページにアクセスする。

  2. コンテンツページのURLを上部のテキストボックスに入力して[Preview]ボタンをクリックする。

    「3リンクメソッド」を使っている場合は、それに続いて、著作者のバイオグラフィーページのURLを上部のテキストボックスに入力し[Preview]をクリックする。

  3. 出力結果にエラーがないかを確認する。

    上記のように、「Verified: Authorship markup is verified for this page.」と緑色でAuthorship Markupが正しく設定されているメッセージが表示されていれば問題ない。

    もし赤字で警告が示されている場合は、何かタグの設定ミスなどがあるということになる。改めて設定のためのステップを慎重に確認して、正しく設定する必要がある。

セマンティックウェブ/構造化データの流れ

以上がGoogle Authorship Markupを設定方法である。これは、「認証されたエキスパートの優良コンテンツを検索結果に増やし検索ユーザーの利便性を高めていく」という、グーグルによる絶え間ない品質向上活動の一環であり、採用が浸透していくことで今後もAuthorRankの重要性は低くなることはないだろう。

著作者情報が設定された価値のあるコンテンツは時間の経過と共に集客効果に現れ、著作者が同一トピックの新しいコンテンツを発行した際に、既存のAuthorRankが影響を及ぼす可能性は高いと考えられる。

必須だとまでは言わないが、オリジナルのコンテンツを提供している人は、少し時間をとって自分のウェブサイトやブログに設定しておくことのメリットは決して少なくないはずだ。

◇◇◇

最後、こうした技術の背景について解説しておこう。

筆者は、2012年6月にシアトルで開催されたイベント「SMX Advanced」に参加してきた。検索エンジン業界の二大イベントの1つであるSMX(Search Marketing Expo)の上級者向けカンファレンスだ。

過去3年間ほどは、このSMX Advancedではソーシャルやアドエクスチェンジを中心としたディスプレイ広告の新たな展開、アトリビューション・マネジメントなど比較的話題性の高いトピックが繰り広げられる興味深いイベントだった。しかし今年は正直なところ、そういったレベルの変化は見当たらなかった。

しかし筆者はそういった事実は理解しつつ今年も参加したのだが、それには理由がある。セマンティックウェブ/構造化データ/リッチスニペットといったトピックに関しては個人的にも興味レベルが高く、SMXのようなカンファレンスでは必ず関連セッションに参加するようにしているからだ。

今年参加した関連セッションは、Schema.org制定から1年、業界は構造化データをどう受け止め実施してきたかを取り上げたものだったが、その内容は予想通り非常に興味深く、今後のウェブサイトやコンテンツのあり方を提示する内容だった。

構造化データについて、かなり多岐に渡る内容がこのセッションで語られたのだが、なかでも最もわかりやすく、比較的誰でもすぐに取り組みやすいと思われる「Google Authorship Markup」についてのセッションの内容をもとに、日本の方向けに解説したのがこの記事だ。

記事の執筆にあたっては、SMX AdvancedでのRick DeJarnette氏のセッションと同氏のコラム記事を、許諾を得たうえで参考にしている。この場を借りて、DeJarnette氏の協力を感謝したい。

ちなみに、私が通常書くコラムでは、まず「セマンティックウェブ/構造化データ/リッチスニペットとは一体何で、それが本質的にどのような意味があり、なぜコンテンツ保有者はGoogle Authorship Markupに取り組むことが重要なのか?」などを解説するのだが、本コラムではGoogle Authorship Markupの設定ハウツーに徹することにした。

要望があれば、セマンティックウェブや構造化データに関して改めて詳しく解説しようと思うので、コメントなどで教えてほしい。

用語集
PageRank / SERP / アップロード / アンカーテキスト / クローラー / スニペット / セッション / ソーシャルメディア / テキストボックス / ドメイン名 / ヒット / リッチスニペット / リンク / 検索エンジン / 構造化データ
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