【レポート】Web担当者Forumミーティング 2011 Spring

デバイスの多様化によるユーザー動向の変化とマーケティングへの影響 | ヤフー株式会社

スマートフォンやタブレット端末のマーケティングへの影響を、Yahoo! JAPANの最新検索データで解説
【レポート】Web担当者Forumミーティング 2011 Spring

この記事では、2011年5月31日に開催されたセミナーイベント「Web担当者Forumミーティング 2011 Spring」の講演をレポートする。他のレポートをご覧になりたい方はこちら

デバイスの多様化によるユーザー動向の変化とマーケティングへの影響

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「デバイスの多様化によるユーザー動向の変化とマーケティングへの影響」では、ヤフー株式会社 BS事業統括本部 マーケティング部の窪田まゆみ氏が講演。スマートフォンやタブレット端末の普及が、検索エンジンとマーケティングにどのような影響を与えつつあるかを、Yahoo! JAPANの最新検索データを紹介しながら紐解いた。会場はほぼ満席となり、Web担当者の関心の高さが垣間見えたセミナーをレポートする。

スマートフォンの検索伸び率は、10か月間で750%を記録

窪田 まゆみ氏
ヤフー株式会社
BS事業統括本部
マーケティング部
窪田 まゆみ氏

窪田氏はまずマーケティング戦略を考える上での背景として、Yahoo! JAPANのデバイス別検索動向を説明した。2011年4月度の実績データによれば、4デバイス(PC、モバイル、スマートフォン、iPad)合計の検索PV数は対前年比122%。Yahoo! JAPANでは、デバイス別に最適化したページを提供しているが、PCからの検索PVが圧倒的に多く、スマートフォンやiPadは少数という状況が続いている。

しかし、検索の実数ではなく伸び率をグラフで見ると、スマートフォンやiPad経由の検索行動が、急速に増加していることがわかる。2010年6月から2011年4月までの10か月間の伸び率は、スマートフォンが750%、iPadが689%を示している。2010年がスマートフォン元年、タブレット端末元年であったことを裏付ける数字だ。

「PC以外からの検索数は、1年前は11~12%程度にすぎませんでした。それが2011年4月時点では18.3%と2割近くに達しています。スマートフォンやタブレット端末の普及が進み、“PC以外からの検索”が“PCからの検索”を逆転する日もそう遠くはないと考えています」

このようにデバイス別の利用動向の見通しを語った窪田氏は、さらにPC、モバイル、スマートフォンの3デバイスにフォーカスして、ユーザー動向・検索動向を解説していった。窪田氏によれば、各デバイスのユーザー動向・検索動向には、講演の時点で次のような特徴があるという。

検索ユーザー動向のまとめ
男女比年代層検索動向
PC男6:女440代以降の利用率が高い
  • 昼と夕方に2回の検索ピーク
  • 「金融・保険・証券」の検索が多い
モバイル男5:女520~30代で75%
  • 1語検索が66%
  • 「飲食」「美容」の検索が多い
スマートフォン男6:女420~30代で77%
  • 2~3語検索で46%
  • 検索ピークは23時近くで一番遅い
  • 「ファッション」の検索が多い

窪田氏は「飲食」はモバイルやスマートフォンと相性が良く、「ファッション」はスマートフォンと相性が良いことなどを話した。さらに、「スマートフォンのユーザー動向は、PCとモバイルの両方の特性を備えています。またデバイスによって、キーワードの検索動向も異なります。検索されやすいデバイスを見つけてほしい」と、自社のターゲットに適したデバイス対応がマーケティング上のポイントであることをアドバイスした。

このような各デバイスのユーザー動向・検索動向を踏まえて、窪田氏はYahoo!リスティング広告を複数デバイスに出稿している企業事例を取り上げた。大手教育サービス企業では、ロングテールのキーワード起用や、CMなどを通じた独自キーワードからの誘導、ランディングページの細分化などの施策を行い、資料請求件数を数十倍に増やした。また、ある保険販売会社では、顧客ターゲットとなる主婦の利用が多いデバイスとしてモバイルに着目。キーワードの見直しや相談会の予約状況に応じた出稿コントロールを実施し、費用対効果や顧客満足度を高めながら、アクセス数や相談予約件数を大幅に伸ばしたという。

ランディングページの対応・非対応で離脱時間が変化

2015年には、携帯電話契約の過半数がスマートフォンになるという調査結果もある。窪田氏は、今後のWebマーケティングはスマートフォンへの対応が重要になると話し、スマートフォンユーザーの離脱時間についての興味深い調査結果を紹介した。

ヤフー株式会社では2011年1月、ランディングページのスマートフォン対応・非対応で、離脱時間がどう変化するかを調査した。それによれば、滞在時間がもっとも長くなるのがスマートフォン対応ページで、その次がPCページになるという。そしてモバイル(フィーチャーフォン)向けのサイトに強制的に飛ばされた場合の滞在時間がもっとも短く、すぐに離脱されてしまう。こうした結果には、ユーザーの不便さや不満が反映されており、急速に増加するスマートフォンユーザーとの接触を図るには、スマートフォン対応ページが必須になりつつあると言えそうだ。

「2011年秋に予定しているスポンサードサーチのバージョンアップ(スポンサードサーチ Ver.3)では、PC、モバイルに加え、スマートフォン向けにも広告を出稿できるようになります。液晶画面の狭いスマートフォンで、検索での上位表示を確保するには、リスティング広告の利用も効果的です」

窪田氏はスマートフォンでの検索エンジン対策の重要性を述べ、セッションをまとめた。マーケティングにすぐに役立ちそうな最新データが豊富に紹介されたこともあり、会場からは大きな拍手が沸き上がった。

※講演内容の詳細をご覧になりたい方は、記事冒頭の動画をご利用ください。

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