企業ホームページ運営の心得

ズルをしなくて儲ける方法。ホームページは足立区で

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の六十伍

匿名掲示板のネタだけではない

本稿執筆時、国会では「日銀総裁」で綱引きをし、都議会では「慎太郎銀行」がやり玉に挙げられております。議論は「正論」や「朝日新聞」、そして「2ちゃんねる」に譲りますが、揚げ足取りに水を得た魚の如くはしゃぐ大人の姿は子供達の目にどう映るのでしょうか。

英国経済誌「エコノミスト」は、今の日本の経済停滞が「政治」によると断じます。政治と経済は二人三脚であることは、「外圧」で日本市場の解放を迫る同盟国の例を挙げるまでもなく世界の常識です。ところが我が国では政治と経済を別次元に置く傾向があります。統制経済はまっぴらごめんですが、経済の語源「経世済民(経国済民)」からすれば不可分であることはあきらかです。

商売用ホームページも政治や政策と無縁ではいられ……ないこともありませんがもったいない。知っていると得をすることがあります。

年度末の最後にお届けする期限が切れてしまうかも知れない得する話です。

経費の使い方。落とし方

税金は稼いだお金から払います。かかった費用は「経費」として稼いだお金から引くことができます。ラーメン屋さんなら麺、肉、野菜、どんぶりに家賃、光熱費がこれにあたります。

仕事でパソコンを使うなら「パソコン購入費」も経費となりそうですが、会計上一度「資産」に組みいれます。詳しくは会計士の門を叩いてほしいのですが、大雑把に4年間に分割して経費(減価償却)にしなければなりません。つまり100万円のパソコンなら最初の1年は25万円しか「経費」とならず、残りの75万円はお財布の現金がなくても、帳簿上「パソコンという資産が75万円分ある」として計上されます。

4年後にはちゃらとなりますが、キャッシュが減少するのは経営上歓迎すべきことではありません。昔、パソコンのリース契約が多かったのはこれも理由です。

ガソリン国会より30万円国会

4年前のパソコンが資産となることに首をひねる人もいるかも知れませんが、2001年までは6年分割(償却)だったのですから、お上も実情にアジャストするため短縮し、適時「特別措置法(特措法)」を用意してフォローしています。「中小企業者の少額資産特例」がそれで、30万円未満のパソコン(少額資産)を単年度で「経費」にすること、つまり「どんぶり」や「麺」と同じ扱いにできるということです。

この特措法が2008年3月末で「日切れ」となります。ガソリンの暫定税率と同じく。どう決着がついているか興味深いのですが、地元の税務署に話を聞いてみると与党提出の「税制改正大綱」では2年間の延長が予定されているが国会次第と苦笑いしていました。私事で恐縮です。「MacBook Air」を買うか否かで頭の痛いところです。Macの「新製品リスク」は新型OSのLeopardで手一杯ですし、一方経営者として「経費」は適切に使わねばと。

税制の変更は商機を生みます。

伝説の大ヒット販促企画も「法」を利用した

いまから10年前の1998年に、「税制変更」を活かした伝説の販促企画がイトーヨーカドーの行った「消費税還元セール」です。大挙して客が押しかけ、レジ周辺は人で溢れかえりました。平成大不況の閉塞感に嫌気がさしていたところに、消費税が3%から5%へとアップされ、庶民の怒りが沸点へと達していたところです。レジで合計額を見せ「こちらから消費税分5%を引かせていただきます」と値引きボタンが叩かれた刹那、「やったぜ! ベイビー」と会心の一撃がでた瞬間の爽快さを覚えました。雨後の竹の子の如く、同種の企画が実施されましたが大成功は先陣を切ったイトーヨーカドーだけでした。

私が電気屋さんなら日切れを逆手に取り「締め切り迫る! 30万円まで一括償却」と企画します。3月末決算の企業は多く、儲かっている企業はお金を使う季節です。ホームページでの告知はもちろん、手当たり次第に法人顧客にダイレクトメールを送ります。税理士に丸投げしている企業は知らなかったりしますので。

自治体の取り組みも見過ごすな

国政レベルの話から「地方自治体」にズームアップしてみます。

我が町足立区では、初めて営業用ホームページを制作すると最大「3万円」が助成される、中小企業を対象とした「ホームページ作成助成金」があります。話題を独占した記事「相場早見表」からみれば鼻で笑ってしまうような金額でしょうが、支払った費用の領収書と申込書類、画面のプリントアウトをセットにして、区役所に提出するだけで振り込まれますから悪い話ではありません。

フラッシュアニメで助成金を貰った例もあります。「地域を代表する新製品や新技術を開発する事業者を応援する」ことを目的としたコンクールで「自治体の広報アニメ」が認められたのです。私はこれをみて「上手い」と唸りました。さすがに「ド素人向け」とはいえ、本稿をお読みの方なら「フラッシュアニメ」に「新規性」を覚えることはないでしょうが、何度も指摘しているように「オジサン達の動画好き」は筋金入り。商売人としての着眼点に拍手です。

税金の有効活用を……してあげる

知れば知るほど色んな場所で「助成金」という税金が投入されています。ホームページ助成では「西郷さん」が見下ろす東京都台東区では最大5万円の助成金がでますし、さまざまな公益団体といろいろな省庁が「助成」を表明しています。

都市部に集中しているものでもありません。たとえば佐賀県では「ネクストステージ」と県あげて「移住者」を募り、県内での創業に最大60万円の支援をしています。私が佐賀県在住で司法書士ならば「SAGA起業パック」として、法人登記などの創業に必要なものをまとめてパッケージ発売することでしょう。

都市部には都市部の、地方には地方の「助成金」があります。

税は支払うもの。助成は受けとるもの。どちらも活用できます。そして合格点(理想)には遠くても、制度や仕組みを知れば知るほど我が国の「システム」は上手くできていたりします。

♪今回のポイント

積極的に法を知るメリット。

官報や地方自治体の広報誌は必ずチェックする。

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