中国向けECで成功するには何が必要か? 政府系EC団体の幹部が語る越境ECの活性化策 | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2017年4月24日(月) 11:00
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日本企業が中国に向けて越境ECを行う際は、EC関連の法律や政策を理解しておくことが欠かせない。中国政府系のEC団体「中国電子商会」の彭李輝・常務副秘書長が来日し、中国政府が進めている越境ECの活性化政策の方向性や、「中国電子商会」が主導する正規品認証サービスなどについて詳しく解説した。 写真◎Lab

中国電子商会 常務副秘書長 彭李輝氏
中国の越境EC市場は日本企業にとって大きなチャンス

成長を続けている中国の越境EC市場には、日本の中小企業が成功する大きなチャンスがある。(彭李輝)

講演の冒頭、彭李輝常務副秘書長は日本から中国への越境ECの市場はすでに1兆円規模に達しており、今度も拡大していく見通しを踏まえ、日本企業にとって中国市場は大きさ可能性を秘めていると説明した。

中国の中産階級の人口はすでに2億人を超え、数年以内に3億人に達する見通し。彭氏は中国で中産階級人口が急速に増えていることについて、「中産階級の消費者は高品質の製品やオーダーメードの製品を求めている。日本メーカーの優れた製品を買い求める中国の中産階級は今後も増えていくだろう。日本の製造業の優れた技術は中国市場で十分通用する」と力説した。

そして、韓国企業が次々と中国市場に参入し、成功を収めていることなどを例にあげ、「日本の企業も越境ECを通じて中国市場に参入してほしい」と訴えた。

税制改正や輸入規制によって越境ECの健全な発展を目指す

彭氏は日本企業が越境ECに取り組む上で、中国政府の政策を理解することが重要だと指摘する。中国政府は近年、越境ECに関する税制や規制を頻繁に変更している。

たとえば、2016年4月には越境ECの徴税を強化するために税制改正を行った。また、2017年末までに食品や化粧品など幅広い商品の輸入規制(ポジティブリスト方式)を導入する方針だ。

2016年4月、越境ECに対する「行郵税」を廃止し、一般貿易と同じ増値税などの適用を開始した

こうした中国政府の政策変更が越境ECにマイナスの影響を与えるのではないかと懸念する日本のEC事業者は少なくない。彭氏はこうした懸念に対し、「越境ECに関する適正な徴税や流通管理は中国政府にとって重要な課題」であると説明した上で、税制改正や輸入規制は「越境ECの健全な発展を図ることが目的」と述べた。

その上で、2016年9月に中国国務院が越境ECの発展のための3か年計画(アクションプラン)を発表したことなどを挙げ、「中国政府は越境ECを強化する方針を打ち出している」と強調した。

中国EC市場の規模は2015年時点で4兆8000万元(日本円で約76兆円)。今後さらに拡大すると予想されている

中国政府は越境ECの発展ために、さまざまな政策を実施している。日本の企業は中国政府の政策を理解することで中国市場でチャンスを掴めるだろう

中国越境ECを健全化する「正規品認証サービス」とは

続いて彭氏は、中国ECの健全な発展のためには模倣品や偽造品の排除が不可欠だと述べ、中国電子商会が主導している「正規品認証サービス」について説明した。

「正規品認証サービス」は越境ECで売買される製品に認証ラベルを付与し、生産国や製造者の情報を消費者に明示する取り組み。消費者はラベルに紐付いたデータを閲覧することで、その商品の生産情報を知ることができる。すでにニュージーランドの粉ミルクやワインが同制度を利用して販売されているという。

2015年11月1日に日中韓の首脳会合が韓国で開かれた際、日本の通信販売協会など各国の事業者団体が越境ECの健全な発展のための方針を協議した。このとき、模倣品や偽造品の氾濫が越境EC発展の足かせになっているとして正規品認証制度の設置が決まった。正規品認証サービスは中国電子商会が主導しており、日本のワイドテック社も協力している。

日本の企業は、この認証制度を活用して中国市場での信頼を高めてもらいたい(彭氏)

「正規品認証制度」は越境ECで売買される製品に認証ラベルを付与し、生産国や製造元を消費者に明示する

彭氏は、「中国電子商会は、さまざまな技術や手段を駆使して偽物を取り締まっていくことを約束する」と模倣品対策への姿勢を訴えた。また、認証を受けた製品の流通データを収集し、マーケティングなどに活用することで、日本企業のビジネスを支援していく計画も披露した。

産業界が先頭に立ち越境ECの枠組み構築を

彭氏は、商習慣が日本とは大きく異なる中国で日本企業が円滑にビジネスを行うには、日中の政府レベルで越境ECの枠組みを構築することが必要だと指摘。例えば、韓国政府は中国政府と経済協定を結び、北京や上海など5つの都市において、韓国企業が資金調達や現地企業との業務提携などを行いやすくしているという。

日本も韓国のように越境ECの公的な枠組みを作ることで、個別の企業が中国進出において悩むことは少なくなる。中国政府はビジネスの情報提供や法律の専門機関の紹介、販売認可取得の支援など、さまざまな点で日本の企業を支援する準備がある。(彭氏)

2015年11月の日中韓経済サミットでは、越境ECの推進に関する共同声明も発表した
2015年11月の日中韓経済サミットでは、越境ECの推進に関する共同声明も発表した

さらに彭氏は、日中の政府間の枠組みの構築が進まないようであれば、「産業界が先頭に立って枠組みの構築に取り組んでも良いと思う」と事業者らに訴えかけた。

講演の最後、「越境ECのチャンスを広げ、模倣品などへの懸念を排除していくことに中国電子商会は力を注ぐ。モバイルインターネットが発展する中で、消費者と企業のマッチングや物流などの面でも、日本の企業を支援していく」と述べ、中国電子商会が日中間の越境ECを推進していくを改めて強調した。

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オリジナル記事:中国向けECで成功するには何が必要か? 政府系EC団体の幹部が語る越境ECの活性化策
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渡部 和章
ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

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