良くOK出たな!海外動画から学ぶ「やりきること」の重要性 | VIDEO SQUARE

VIDEO SQUARE - 2015年11月26日(木) 13:11
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一視聴者として動画を見る時、興味を引かれない動画を積極的に見る方は少ないと思います。

マーケターは、当然、それが分かっています。だからこそ、動画広告を作るとき、伝えたいことを盛り込みつつ、ターゲットの興味を引くことに頭を悩ませるのです。

今回は、ターゲットの興味をひく上で重要な要素「やりすぎなくらい、やりきる」という点に注目してみたいと思います。

消費者は、企業が伝えたいことには興味がない

まず大前提ですが、つまらない動画は見られません。

面白い動画が氾濫している時代に、わざわざ面白くない動画を見る人はまれです。その一方、企業が動画広告を通じて伝えたいメッセージは、往々にして面白味のないものになりがちです。
boring-2

例えばある企業(A社)が、無農薬野菜を売っているとします。商品の売りはもちろん「無農薬」で、A社はこの点を前面に押し出しています。

そんなA社が、まだ無農薬野菜を買っていない層を取り込むべく、動画広告キャンペーンを打つことにしました。

しかし、忘れがちな点があります。それは、A社のターゲット「無農薬野菜を買っていない層」は、無農薬野菜にさほど興味がないから買っていない、という点です。

このシチュエーションで、A社の伝えたい無農薬野菜の良さというのは、ターゲットにとって興味の湧かないメッセージでしょう。

こうしたケースで意識しなければならないのは、順番です。

興味を持っていない人にメッセージを届けるためには、まずは興味をひきつけなければなりません。見てもらえなければ意味がないのです。

もう一歩踏み込んで言うと、メッセージを重視しすぎ、面白さが犠牲になる。これでは、本末転倒です。

まず、どんな動画ならターゲットを引き付けることができるのかを、考える必要があります。

どんな動画が面白いの?

メッセージをターゲットに届けるためにも、面白い動画を作ることの必要性は分かりました。

しかし、面白い動画とはいったい何なのか。

重要なポイントは、「やりきること」と「クオリティ」です。

「やりきること」とは言い換えると、中途半端なことをしないということです。

今の時代、動画コンテンツ発信の主役は、企業よりもむしろ一般のユーザーです。そして人気のYouTuberなどは、行きすぎなくらい「やりきった」コンテンツを作って再生回数を稼いでいます。

そうした動画に慣れた視聴者に、企業が作る中途半端なコンテンツは刺さりません。

また企業が動画広告を作る上では、ハイクオリティな映像であることも重要なポイントです。それだけでも、大多数の一般ユーザーが投稿する動画と差別化できます。

有名なお菓子「オレオ」が展開した動画広告を、例として見てみたいと思います。

オレオ「Whisper Fight」

誰もが知っている「図書館では静かに」というルール。それを打ち破るド派手な争いを、ハイクオリティな映像にまとめています。

これが「クレームが来るかもしれない」という意見に押され、図書館の中で肩をつつき合うだけの動画だったとしたら、面白さは半減していることでしょう。

シチュエーション的な面白さで、視聴者の興味を引き付けているだけではありません。よく見てみると「オレオのクッキー部分とクリーム部分、どっちが好きか」という議論が商品とうまくつながっています。

最終的には、視聴者もその議論に参加できるという、非常によく出来た流れの動画広告です。

面白さを壊さないメッセージの入れ方

オレオの事例でもそうでしたが、面白さだけで終わってしまっては、広告としての役割が果たせません。

面白さで興味を引きつけた上で、しっかりと伝えたいことを盛り込む必要があります。この場合、動画の面白さを阻害する形にならないように注意が必要です。

ここで、電機メーカーのサムソンの例を見てみたいと思います。

サムソン「Marvel’s Avengers: Age of Ultron and Samsung Mobile present ‘Assemble’」
Part 1

Part 2

この動画はサムソンが販売しているスマートフォンGalaxyと、Galaxy用に開発されたヘッドマウントディスプレイGear VRのプロモーション動画です。

プロモーション動画としては比較的長編で、2部作の構成。しかし、見事に「やりきって」います。

ストーリーとしては、サッカー選手のメッシなど、スポーツ界の著名人がGear VRを装着。大ヒット映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」に登場するヒーローになるための訓練をするというもの。

登場人物、映像、演出、すべてが中途半端にならずに、映画さながらのアクションと派手さに仕上がっています。どれか一つでも欠けていたら、インパクトは大幅に減っていたことでしょう。

また、この動画の素晴らしい所は、動画内にストレートにGalaxyとGear VRを登場させ、その機能と性能をアピールしつつも、一切面白さを邪魔していないところです。

しっかりとターゲットの興味をひくインパクトとネタを盛り込みつつも、商品PRにつなげた、非常に良い例です。

「感動」もやりきることが大事

もう一つ事例を紹介します。
カナダのウェストジェット航空が展開したブランディング動画です。

ウェストジェット航空「WestJet Christmas Miracle: real-time giving」

ウェストジェット航空がクリスマスに展開したキャンペーンを動画化したものです。

ウェストジェット航空はクリスマスキャンペーンとして、搭乗前の客がスクリーンに映ったサンタと会話ができるというイベントを用意しました。そこで客はクリスマスに何が欲しいかを思い思いに話します。

そしてウェストジェット航空は、搭乗客が飛行機に乗っている間に希望のプレゼントを全て用意して、到着地の荷物受取の場で実際にプレゼントしたのです。

まさしく「やりきった」企画です。
スノーボードもスマートフォンも大型テレビも、すべてが用意されました。費用も労力も半端なものではないはずです。

その分、乗客が感動する様子、その感動を届ける為に必死に働くスタッフの姿が、動画を通じて視聴者に刺さります。これ以上のブランディングは無いでしょう。

ストーリーと企業の伝えたいことがしっかりと一体化しており、面白さは一切疎外されていません。

まとめ

オレオ、サムソン、ウェストジェット航空に共通して言えること。それは、「やりすぎなくらい、やりきっている」こと。こうした「やりきり」のためには、マーケターだけでなく企業がしっかりと理解を示す必要があります。

TVCMの名残で、動画制作は今でも保守的になりがちです。しかし、やりすぎな動画が氾濫している今の時代、中途半端な動画に視聴者は反応しません。

企業は、デジタル時代の動画広告がTVCMと違うことをしっかりと認識しなければなりません。マーケターは企業全体から理解を得られるように動く必要があります。

そうして、企業とマーケターが一体となって「攻め」の動画広告を進めていかなければ、効果的な動画キャンペーンを打つのは難しい時代なのです。

(文:Scott Nomura)

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<参考文献>
オレオのクッキーとクリーム、どっちが好き?→大乱闘に発展するCMがカオス
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